学校のお知らせ 五話 ページ19
,
「授業参観かぁ、感謝の手紙どうしよ」
「どうもこうも書くしかねぇだろ」
「最初は疑問だったが、素晴らしい提案と思うぞ。日頃から家族に感謝の気持ちはあるが、こんな機会でもないと改まって言うことがないからな。
そういえば、手紙に枚数制限はあるのだろうか？少ない枚数だと困るな、気持ちが書き尽くせないかもしれない」
「眼鏡君やる気マンマンだね。ヤルキマン・マングローブかな？」←
「なんだそれ」
「ワン○ース。五十…何巻だったかな？」
帰り道。
珍しく轟君が駅まで行かないかというので、一緒に歩いていたら緑谷君と飯田君がいたので、四人になって歩いている。
ちょうどヒーロー殺しのメンツだ。
制服姿で歩く私たちは普通の高校生であり、誰も彼も、私たちがステインさんと対峙したとは夢にも思わないだろう。
飯田君を助けに行った緑谷君と轟君。
そして助けられた飯田君たちの間には絆のような強い何かが残っている。
「すごいね、飯田くん。そんなに書けるんだ……
僕、どう書けばいいのか何も浮かんでこないよ。
ヒーローたちへのHPからメッセージはよく送ってたけど、手紙ってあんまり書いたことないし」
「そうなのかい？俺はたまにお礼の手紙を出すが」
「お礼の手紙！？」
え？お礼の手紙…？
「たまに、道で救けたおばあさんなどがお礼の品を送ってくださることがある。その時には必ずお礼状を出すようにと、両親の教えでね」
「さすがいいトコの……！」
「そうか？普通だろう」
「いや、俺はしたことない」
「私もないかなー」
鬼殺隊とか政府非公式だし。
あと大正時代手紙はそこまで普及されてなかったきがするし。
「そうなのか…」
飯田君落ち込むことってあるんだ←
「で、でもいいことだよ！こういう時にも役立つしさ！」
「……そうだな！それにやはり手紙には心がこめられる。そうそうこの間も……」
緑谷君の励ましに、調子を取り戻した飯田君。
よかったと思ったのもつかの間、飯田君は突然あ！！っと叫んで両手を天に突き上げた。
いやなにそれ！？
「ど、どうしたの！？飯田くん！？」
「俺としたことがうっかり忘れるところだった！これ！」
そう言って、飯田君は鞄から封筒を取り出した。
「なに？それ」
「遊園地のチケットをいただいたんだ、ネイティブさんから。俺たちにと」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：心哀雪 | 作成日時：2020年4月22日 10時
