転生したら……え？番外編？ (ページ14)

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雄英白書Ⅰ　プロローグページ14

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それは一瞬のことだった。

黒マントにマスク姿の敵が放った、かすかな火種が穴に落ちたと思った次の瞬間、まるで地獄の扉が開いたきのように勢いよく炎があがった。

熱い。

こんなの原作にあったっけ。

そんなことを思いながら、私は刀に触れた。

迫る熱風に、私以外の皆が後ずさる。

それでも瞳だけは炎の中心を必死に見つめていた。

だが、檻の中から炎とともにあがる悲鳴に、皆どうしようもできず、立ち尽くしてしまっていた。

檻の中に囚われているのは、皆の保護者。

私の家族は来ていないけど、他の皆は全員揃っている。

大切で大事な、家族なのだ。

チラと皆を見る。

ヒーローを目指す、いつもは強くて曇りのない瞳が、今は陽炎のように不安気に揺れている。

炎が風に煽られて、勢いが増した。

「出久ぅ！！」

「お母さん！！」

檻の中から助けを求めるように手を伸ばす母に、緑谷君は手を伸ばして叫び返す。

届かない指を阻むのは、数十メートルにわたる炎と、頑丈な鉄の檻と、そして敵。

──どうしてこんなことに。

そう考えている皆の様子が見て取れた。

悲劇は、二週間前から始まった。