if話 ヒーロー科にいたら２ ページ10
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緑谷君VS爆豪君の決着は無事(？)終わった。
場所を移し第二戦。
「星平さん、尾白君。私ちょっと本気出すわ。手袋もブーツも脱ぐわ」
「うん…」
「風邪ひかないようにね」
透明人間としては正しいけど女の子としてはダメだよね。
「じゃ、私と尻尾君が核の部屋で核を守って、透明ちゃんが伏兵として捕えるって感じで」
「うん！」
「ハンデで私たちのチームには小型無線が無いから、同階からは出ないようにね」
「わかった」
さぁて、どうしよっかな
─────
パキパキと嫌な音が耳を掠める。
「……予想より早かったな」
足だけならジャンプすればいいと思っていたけど、床だけ凍るスピードが早かった。
恐らく先に3階の天井を凍らし、4階の床だけすぐ凍るよう調節したのだろう。
さすが、幼少期から訓練をしてきただけある。
「だけどまあ、それは私も同じだし」
私はペロッと、舌なめずりをした。
ドアが開く。
左半身を覆った轟君が顔を出す。
「動いてもいいけど、足の皮剥がれちゃ満足に戦えねえぞ」
《ヒーローチーム……！？》
ガキィンと氷が砕かれる音が室内に響き渡る。
もちろん、私が足元の氷を砕いた音である。
「なっ……！？」
轟君が振り向くより早く、私は刀を横薙ぎに払う。
「甘いですよ、ヒーローさん」
ニッコリと、笑みを作った。
放たれた氷を滝壺で砕く。
「舐められたものですね。
「……一筋縄じゃいかねえか」
「あらあら」
完全に戦闘態勢に入った轟君に、目を細める。
建物が全体的に凍っている以上、障子君は入って来れない。
窓も完璧に凍っている。
轟君を仕留めれば終わりだ。
核の前に立ち、刀を突き刺して尾白君の足元の氷を砕く。
「さあ、1対2ですよ。どうします？」
口元に手を当て、クスクスと笑う。
葉隠ちゃんのためにも私は勝たなきゃいけないんだよ(必死か)
「尻尾君、あんまり動かないでね。私の間合いの中なら守れるから」
「わかった」
突破口を探し、視線を彷徨わせる轟君に、私は口を開く。
「いいことを教えてあげましょう、ヒーローさん」
「……なんだ」
「この場合、最適解は氷ではなく炎です」
眉を釣り上げる轟君に、ニッコリと笑みを作ってやった。
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作者名：心哀雪 | 作成日時：2020年4月22日 10時
