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『 ほんとは…ゆっくり会えるまで
我慢しようと思ってたんだけど、無理だった 』
腕の力を緩めた平野さんが眉尻を下げながら
弱々しそうにそんな事を言うものだから
もう、私の脳内はキャパオーバーだった。
『 ちょっと前もこんな感じで抱きしめてたなぁ…
って思い出してたら、会いたくなってさ 』
「 だから、って… 」
『 あん時も同じ顔してた 』
つんつん、と私の頬を指でつついて
愛おしそうに見つめてくる彼の視線に酔う。
あの時…と言ったら、忘れ物を届けに行った時か。
もう随分の昔の事のように感じるけれど
実際は、ほんの数週間前の出来事。
「 よく覚えてますね、そんな細かい事 」
『 まぁ…職業病だな 』
人の表情はよく覚えてる、と得意げに笑ってみせた。
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『 確か、明日だよな 』
寒くないように、と私の手のひらを握ったまま
都会の空にしては珍しく星がチラつく夜空を
そっと見上げながら白い息を吐き出した。
「 何がですか？ 」
『 俺のドラマが始まんの 』
「 そうですね…ちゃんと録画してきました 」
自慢げに親指を立てれば、目を細めて
ちゃっかりしてんな、なんて機嫌良く笑う。
それからしばらく、何も話さないままの
時間が続いて…でもそれが寂しいとか
気まずいなんて事は一切無くて。
むしろその方が心地好いくらいだった。
平野さんの横に居られるだけで十分だし
奇跡みたいなもんだから、何か話さなきゃなんて
そんな気遣いは、むしろ贅沢。
彼が動く度に力の入れられる手のひらは
幸せが伝わってくるほど暖かい。
時折、私の方に視線を預けて微笑んでは
再び空へと意識を戻していく平野さんに
物静かな色気を感じていた。
彼の暴力的なほどの美しさに心を打たれて
彼のファンで良かった、と思えた。
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さくらんぼ＆チェリー@サブ(プロフ) - あぐた。さん» わぁぁぁぁぁ！ありがとうございます！！ (2020年2月21日 21時) (
レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - さくらんぼ＆チェリー@サブさん» コメント、ありがとうございます。ベテランだなんて…まだ投稿を始めて数ヶ月も経っていない未熟者です。また作品読ませて頂きますね！(^^) (2020年2月21日 1時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ＆チェリー@サブ(プロフ) - いんこです！hit数がスゴい……ベテランさんですね！ (2020年2月21日 1時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - ゆかさん» コメントありがとうございます。ただいま下書きをしております。公開予定は今週末を予定しておりますので、もう暫くお待ち頂ければ幸いです。 (2020年2月18日 10時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - いつも読ませて頂いています！是非新作も読ませて頂きたいのでパスワード教えて頂きたいですか (2020年2月18日 10時) (レス) id: ad4f41f45e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぐた。 | 作成日時：2020年1月25日 21時
