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__ chocolate.35 ページ35

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__ いつか、男として見てくれたら








平野さんの言葉が頭の中をずっとループしていて


仕事に集中しようにもできなくて


どうしたものかとカウンターに肘を付けていた。








お客様は、ぽつりぽつりとしか来ないため


少々の時間なら他のことに費やしても良くて


チョコレートを見ながら彼の事を思い出していた。








「 ドラマやるのかぁ… 」








あの時…彼の前では嬉しがってみせたけど


本当のところ、心の隅では嫌だった。


でも、その気持ちは表に出す事が出来なかった。








だって、私はただのファンだから。








彼が私に好意を寄せているという事は


あの日に分かったことだけれど、


それに対する上手い返事も思いつかなくて。








でも、平野さんと過ごす時間は


どの時間よりも心が満たされて最高に幸せで。








自分の心境が矛盾していることくらい


ハッキリと分かっていた。








「 誰がドラマするの? 」








気づかないうちに隣に来ていた先輩が


店長の作ったチョコレートをショーケースに


並べながら私の方を見上げてきた。








「 平野紫耀くんです 」


「 平野って…Aちゃんが好きな人でしょ? 」








なら良かったじゃん、と不満気だった私に


違和感を感じたのか問いかけるようにしてくる。








「 良かったんですかね… 」








すると、私が言葉を虚空に放ったのを察したのか


何やらニヤニヤと楽しそうに口角を上げて


私の肩に女性らしい腕を回してくる先輩。








その表情からして変な事を考えているな、と


必死に顔が引き攣らないようにする。








「 まさか、リア恋ってやつ? 」








「 な"ッ…何言ってるんですかッ!
あくまで、私はただのファンですよッ…!

付き合うとか男としてとか…そんなの無理ですッッ 」








先輩の台詞に大きく動揺してしまい


言わなくていいことまで口走ってしまった後、


私は自分の事を殴りつけたくなった。








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さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - あぐた。さん» わぁぁぁぁぁ!ありがとうございます!! (2020年2月21日 21時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - さくらんぼ&チェリー@サブさん» コメント、ありがとうございます。ベテランだなんて…まだ投稿を始めて数ヶ月も経っていない未熟者です。また作品読ませて頂きますね!(^^) (2020年2月21日 1時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ&チェリー@サブ(プロフ) - いんこです!hit数がスゴい……ベテランさんですね! (2020年2月21日 1時) (レス) id: 8fd736f5ec (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - ゆかさん» コメントありがとうございます。ただいま下書きをしております。公開予定は今週末を予定しておりますので、もう暫くお待ち頂ければ幸いです。 (2020年2月18日 10時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - いつも読ませて頂いています!是非新作も読ませて頂きたいのでパスワード教えて頂きたいですか (2020年2月18日 10時) (レス) id: ad4f41f45e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぐた。 | 作成日時:2020年1月25日 21時

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