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“ ええよ ”
そう聞こえた時は耳を疑った。
まさか永瀬さんがそんな事を言うわけが無いと、勝手に思い込んでいたせいか 上手く処理 出来なかった。
彼の方を見ると、表情が見えなくて。
『 永瀬、さん? 』
そう声を掛けると、やっと顔を上げてくれた。
廉「 何でもない、冗談やで 笑 」
さっき言った言葉を かき消すように、
眉尻を下げて そう笑う。
何か引っかかる要素しか無かったけれど、無碍に聞き出すような事はしたくなくて 私も笑った。
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廉「 Aちゃんって、意外と鈍臭いんやな 」
『 え?それ悪口ですか? 』
廉「 ちゃうよ!?そんな訳ないやん! 」
私の怪我の部分を透かすように見つめた後、
視線を上げて そんな事を言った。
別に悪口を言われているという感覚はなかったけど、慌ててみせる永瀬さんが面白くて。
つい優太と同じノリをしてしまった。
でも、鈍臭いって、悪口な気がするけど。
球技大会が終わったのか、静かな校内で、あたかも二人だけが存在するかのように錯覚する。
安らぎの時間だった。
とは言っても、完全には休まらず。
永瀬さんの動く音、
一つ一つが気になっていた。
廉「 球技大会、もう終わったんかな 」
私と同じ事を考えていた彼に、
“ そうみたいですね ” と相槌を打つ。
本当は優勝を目指してたのに…怪我なんてするから。
私を応援してくれていた人に
侘しい気持ちを覚えた。
『 永瀬さんは、スポーツ好きですか? 』
廉「 なんや、急に 笑
うん、まぁ…楽しいし好きやで? 」
『 私も、大好きです 』
すると、永瀬さんが急に私から目を逸らした。
咄嗟のことで彼の表情は読み取れなかったけど
目を逸らされた事が少し悲しかった。
どうしたんだろう。
私、何か聞いちゃいけない事聞いたかな。
もしかして地雷踏んだ?
永瀬さんの地雷が分からない私は、どうしたものかと途方に暮れるしか無くて どうしようも無かった。
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あぐた。(プロフ) - Sさん» コメントありがとうございます。afterstoryは今、下書きをしておりますので、しばしお待ちください! (2020年1月28日 22時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっと付き合った2人のラブラブなafterstoryも気になります! (2020年1月28日 19時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - 箱推しティアラさん» コメントありがとうございます。更新、頑張ります! (2020年1月25日 1時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
箱推しティアラ(プロフ) - おもしろいし、この作品好きです!読みやすいですよ。更新頑張ってください! (2020年1月25日 0時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - さちままさん» コメントありがとうございます。ただ書いているだけで全然語彙力や文章力が無いので…そのように褒めて頂ける事、とても光栄です! (2020年1月22日 18時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あぐた。 | 作成日時:2020年1月19日 19時