__ Love weather.11 ページ11
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あれ…と思った直後、
永瀬さんは再び微笑んだ。
“ えぇの、あの人ら見てるだけやから ”
永瀬さんは思いの外、辛辣な人なのかもしれない。
そう感じとったのは、
本人の瞳に光が無かったから。
でも、永瀬さんは手本顔負けの笑みを浮かべてて。
背中を寒気が走った。
『 優太は?どうする? 』
優太「 俺は全然良いけど 」
廉「 ほな決まりやな、寒いし早う帰ろ 」
絶対に暖かいであろう分厚いマフラーに、小さな顔の半分程を埋めて 私の隣にやってくる。
一方で優太は、耳も頬も真っ赤だった。
いかにも、寒いです!って体が主張してるみたい。
見てるこっちが寒かった。
お願いだから…
マフラーかネックウォーマーを買って。
そう言いたくなる程。
でも、優太は言っても 買ってくれないだろうし。
誕プレにでもあげるしかない…
けど、残念ながら優太の誕生日は九月。
今年の冬に、暖かそうな優太を見る事は叶わない。
“ 優太、寒くないの? ” と声を掛ければ、
“ さみぃに決まってんじゃん ” と、
ポケットに手を突っ込む。
だろうね。
聞いた瞬間から分かっていた返事が返ってきて
そりゃそうだと自分でも思った。
『 永瀬さんは暖かそうですね 』
廉「 おん、まぁな 」
『 マフラーは、自分で買ったんですか? 』
廉「 ……おん、 」
私の質問に答えるまで、数秒時間があった。
どこか陰影を感じたけど、深入りする事も出来ず、在り来りな返事しか 返す事が出来なかった。
永瀬さんには、何かある。
それも、他人に知られたくない何か。
数回程 会話をしただけの私に何が分かると言われたらそうだけど、そこだけはハッキリと分かった。
白い息を吐く永瀬さん。
その横顔の美しさと夜景が、綺麗に重なる。
凄く、美しかった。
この世の物とは思えないくらい。
ミケランジェロと肩を並べても良いくらいだった。
私は 無意識のうちに、
息を飲んでいた。
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あぐた。(プロフ) - Sさん» コメントありがとうございます。afterstoryは今、下書きをしておりますので、しばしお待ちください! (2020年1月28日 22時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっと付き合った2人のラブラブなafterstoryも気になります! (2020年1月28日 19時) (レス) id: a50c63b20c (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - 箱推しティアラさん» コメントありがとうございます。更新、頑張ります! (2020年1月25日 1時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
箱推しティアラ(プロフ) - おもしろいし、この作品好きです!読みやすいですよ。更新頑張ってください! (2020年1月25日 0時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - さちままさん» コメントありがとうございます。ただ書いているだけで全然語彙力や文章力が無いので…そのように褒めて頂ける事、とても光栄です! (2020年1月22日 18時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あぐた。 | 作成日時:2020年1月19日 19時