最強な弟。フツーな兄。

拾弐 ページ14

「ゲホッ…ゲホッ」

口元を手で押さえると、手に生暖かいものがついた。血だ。吐血してる。


(…呪力の限界だ。これ以上はフツーにヤバい……)

「クソ……虎、杖………」


目の前に呪いの王がいるというのに。俺の体は限界に近づいていた。


「いい時代になったのだな。女も子供も蛆のように湧いている。素晴らしい。


鏖殺だ」


教師としても、呪術師としても最悪だ。
生徒が特級呪物を受肉しやがった。祓わないと…殺さないとみんな死ぬ。

「ああ……クソだなフツーに」

もう俺に宿儺と闘えるだけの呪力はない。

久しぶりの戦闘だったからコントロールが上手くいかなかった。ところどころで無駄遣いしすぎた。



意識が保てない。


「あ？人の体で何してんだよ。返せ」



意識の奥で虎杖の声がした気がした。

「悪い、伏黒……」

プツリ、と意識が途切れる。

拾参─side伏黒→←拾壱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す