決戦 ページ40
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「テメェ、コケにすんのも大概にしろよ！
ぶっ殺すぞ！！」
突然始まった勝己の罵倒大会。
いや、あいつに関してはこれが通常運転？
「俺が取んのは完膚なきまでの一位なんだよ！
舐めプのクソカスに勝っても取れねんだよ！」
「………………」
「デクより上に行かねえと意味ねえんだよ！
勝つつもりもねえなら俺の前に立つな！
何でここに立ってんだ、クソが！」
轟くんが顔を顰めた。
さっき相澤先生が言ってたとおり、出久と戦ってから何処か迷ってる様な表情は見られたけど……
だからって炎を使わないのを舐めプって言うのもどうなんだろ。
それに、出久に対してのあの妙な執着もなんだかなぁ、って感じ。
「轟くん！！
負けるな！！頑張れ！！！」
『出久……』
途端、轟くんの左半身から赤い炎が燃え盛る。
それを見て口角を吊り上げた勝己を見たのが最後、ステージは黒煙に包まれた。
『どっちが勝った……？』
ここで勝敗が決まったのは何となくわかった。
多分、次見えた時に立っているのが優勝者。
『…………あっ』
「 ────は？」
煙が除けて見えたのは、地面に伏した勝己と氷にもたれて動かない轟くんだった。
「ッおい、おい！！ふざけんなよ！！
意味ねェって言ってんだろうが！！！」
『ちょ、勝己……！！』
勝己はもう気絶してるはずの轟くんに掴みかかって怒鳴りつけた。
"意味ねェ”ってもしかして、寸前で炎を消しちゃったって事？
なんで消したの、ってのもある。
だけどそれよりも、勝己の怒りようが半端じゃないからそっちが気が気でしょうがない。
「こんな1位なんて！！！
こんなの！！
こんッ……！！」
「…………轟くん、場外。
よって爆豪くんの勝ち！！」
ミッドナイト先生が強制的に眠らせたっぽい。
良かった。
あのままじゃどうなってたことか。
《以上ですべての競技が終了！
今年度の雄英体育祭1年優勝は、A組、爆豪勝己ィ！！》
優勝者が決まったはずなのに、会場には妙な空気が流れていた。
まぁ最後の試合があんなんだったからわかるにはわかる。
『なんか、疲れた』
緊張や興奮、ちょっとの畏怖。
それらを渦巻いて、雄英体育祭は終焉を迎えた。
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作者名：N | 作成日時：2023年4月1日 17時
