炎炎 ページ34
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冷えていた会場に熱気が伝わってきた。
轟くんが個性を使ったから。
『あつい、』
赤い炎が彼の半身を覆う。
「勝ちてえ癖に…………畜生。
敵に塩送るなんてどっちがふざけてるって話だ」
うっすらと轟くんの声が聞こえてきた。
ちょっとだけ震えた声に、耳を澄ます。
「 ────── 俺だって、ヒーローに……！！」
「焦凍ォ！！！！！」
『うわぁっ！？』
ヒーロー科たる所以。
その言葉が聞こえた直後、現No.2ヒーローの声が会場中に轟いた。
まぁじでビビったわ。
心臓バクバクしてる。
エンデヴァー声デカすぎね。
「やっと己を受け入れたか！
そうだ、いいぞ！！ここからがお前の始まり…………
俺の血を持って俺を超えて行き、俺の野望をお前が果たせェ！！」
『俺の、野望……？』
妙な言い方だな。
轟くんがヒーロー科に入ったのはお父さんであるエンデヴァーの為、って事？
それってなんか…………えぇ？？
《エンデヴァーさん急に激励、か……？
親バカなのね》
親バカ？
あのエンデヴァーが？(失礼)
イメージ無いわァ。
まぁそんなギャラリーの言葉が届いているのか否か、それは定かではないけど2人は揃って笑っていた。
そして2人同時に個性を発動。
『………………』
轟くんは出していた炎を大きくするわけでも消すわけでもなく、そのまま氷を足元から出した。
出久は出久で足に力を入れて飛んだ。
「あ」
『ん？どしたん心操』
「いや、先生が………」
先生？
って、あれ？
『まって、そんなにヤバ………ヤバいか』
先生が止めに入る準備するって相当じゃん。
え、もしかして私達も危ない？
体育祭の試合の流れ弾喰らって怪我とか絶対嫌だからね
治せるけど
「 ─────── ありがとな、緑谷」
轟くんの炎が大きくなったから命の危機を察知して身構えたけど時既に遅し。
とんでもない熱風で吹っ飛ばされかけてます。
『ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ』
「ちょ、うるさっ」
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作者名：N | 作成日時：2023年4月1日 17時
