お疲れサマンサタバサ ページ25
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『へいへい心操くん、オツカレ！』
「あぁ、ありがと」
試合終わりに選手控え室に行ったら案外すんなり入れてくれた。
お友達特権かな。
そう思いたいね。
『………まぁ、なんていうかさ、』
「え、うん」
ん〜〜……なんて言うべきだろ。
出久の時も思ったけど言葉にするってムズいんね。
「………地味な個性、って？」
『は！？違うし！！』
「っ、」
あ、やべ。
思ったよりでかい声でたわ。
くそ。
語彙力無さすぎて机に突っ伏すしか出来ん。
勝己助けてー。
『なんかさァ、こう……上手く言えないんけどさ』
「うん」
『…………ごめん』
「は？」
うわ、順番ミスったか？
でもまず言うべきはコレだと思ったんだけど。
えぇ……心操超拍子抜けした顔してる……
ちょっとおもろいのやめて欲しいわ。
「俺なんか謝罪される事したっけ」
『や、誰が悪いとかでは無いんだろうと思いたいけどちょっと私の気持ちの問題というか』
「なんで謝ろうと思ったわけ」
良くぞ聞いてくれた。
10分くらいかけて説明すんね。
『……ちょっと前に体育祭の話したじゃん』
「うん」
『んでさ、私が治癒系の個性って言ったら「ヒーローっぽい」って心操言ったじゃん』
「……確かね」
あんま覚えてないんかい。
『今日心操が出久に色々言ってんの一部聞こえてさ、
あー心操そういう風に思ってたんかぁってなんか申し訳なくなっちゃって』
「で、謝ったんだ」
『うん。あと、』
「まだあるの」
『これは謝った理由じゃないよ』
私が、思った事。
いつも思っている事。
『ヒーロー目指すんは、それだけでかっこいいと思う』
「…………」
『心操の個性はまだあんまよく分かってないんだけどさ……
私も解釈を変えれば敵寄りの危ない個性だから、それ分かった上で憧れてんの素直に尊敬してる。
まぁ別に、私はそういうので諦めたってよりか元々ヒーローになりたいとは思って無かったんだけど』
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作者名：N | 作成日時：2023年4月1日 17時
