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Prolog ページ1
「 ねぇ、君は誰? 」
誰もいない空間に語りかけてみた。
若しかしたら、答えが返って来るかもしれないから。
でも、だぁーれも、答えてはくれない。
沈黙だけが、この空間にあるのだ。
「 やっぱり返ってこないんだよなァ、分かってたけど。 」
満月の様な黄色いぱっちりとした瞳を開き、「ちぇ」と呟いた。
その人 __ 彼女は、何も知らない。
無垢な微笑を浮かべて、只々問うている。
「 そんな無口なきみを、何時か喋らせてやるんだからなぁ! 覚悟してろよっ!」
明るい声で、彼女は言った。
そして、僅かに開いていた扉から出て行った。
「 … 本当に、誰なんだよ 」
扉の外で、ずるずると体を落とした彼女。
気だるそうな視線が、上に向けられて。
「 …答えてくれなきゃ、終わんないのに 」
小さく呟いた。
その一言が口から出た瞬間、辺りを真っ暗な闇が襲う。
彼女も扉もその闇に呑まれ、その場には誰もいなくなった。
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作者名:SHE'S door | 作者ホームページ:ないない
作成日時:2019年6月21日 1時