悪魔の子【約ネバ】 (ページ5)

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「…何度見ても、面白いなぁ」

パタン、と本を閉じる。
どれだけ読んでも飽きないのが、この本の特徴。
現に飽きっぽい僕が、昔からこんなに読んでいるのだから。

さて、次はどの本を読もう。
今日はどうしよう、「赤毛のアン」か「たけくらべ」か。
いや、ここは「罪と罰｣も捨て難いかな…。
何故か大量に置いてある子供向けとは思えない本も、既に読破している。

とりあえず、持っている本を戻そうとした。
その時。

「…あれ、お前…」

「あ、レイ」

図書室の常連、レイがいた。
といっても中々喋ったりはしない。
まず会うタイミングが少ないから。

「お前、そういうのに興味あるんだな」

持っていた本の表紙を一瞥して、レイは自分の目的の本を探し始めた。
僕は「まぁね」と適当に返事をして、僕の目当ての本を探す。
丁度レイのいる棚の辺りだ。
何か真剣に探してるから、後で取ろう。
代わりに読めそうな本はないかな、と本棚をすーっと見ていく。

「なぁ、アレクト。」

「ん？何？」

不意に声を掛けられ、レイの方をちらりと見る。

「〇〇って本、どこにあるか知らね？」

「その本？あぁ、知ってるけど。」

レイ…君がいるすぐそこの棚にその本あるし。
まぁ取ってあげるか、と少し傍によって、その本を取る。

「ほら、これだよ。」

「ん、サンキュ」

「いいって、またなんかあったら言ってよ」

意外だな、本の場所なら記憶してそうなのに。
まぁ、関係ないと思って本を持って移動したレイが居た棚の本を取り、また自分の世界へ。