悪魔の子【約ネバ】 (ページ3)

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「 … くぁ〜 …」

まだ朝の涼しさが残る今日この頃。
何時もより早く起きてしまった僕は、まだ少しぼやぼやする視界で辺りを見回す。
まだみんなは安らかに寝息をたてていて。
起こすのがなんだか勿体ない。

と、思っていた時。

大きな金属が鳴る音。
その音と同時に、全員が起き上がった。
さっきまで寝てたのに元気だなぁ、と思う。
このハウスの子供達は、どうしてこんなに元気なんだ。

「おはよう、アレクト！」

「おはよ、エマ」

ぴょこん、としたあほ毛。
明るい髪の色。
エマ。ハウスの中では一番明るい…たぶん。

「アレクト、ボタンしめてー」

「ハイハイ、ほらこっち並んで」

小さい子達の面倒を見るのも、僕たちの仕事。
寝惚けた表情の子達の服のボタンを全部しめて。
毎度の事であるが、やっぱりこれは楽しい。

「さて、朝ごはんに行こうっ、と！」

__

「おはよう、アレクト」

「ノーマン、レイ、おはよう」

食堂に居たノーマンに挨拶をされる。
僕もそれを返す。

なんかもう、この人達と挨拶をしないと色々始まらない。

このハウスは、みんな違う。
親も分からない、ただの孤児。
12歳までに、里親の元へ行ってしまう。

でもね、そんな在り来りなストーリーがあるわけ無い。