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2 . 彼、恋をしました。 ページ3
泊まる部屋に戻っても、君の事が忘れられなかった。
あの微笑んだ顔が、佇まいが。
まだ頭の中に鮮明に残っていて、離れない。
枕に突っ伏して、眠る形になる。
…この気持ちの名前は、知っている。
《恋》だ。
少女漫画なら、ヒロインがヒーローに抱く気持ちに気付いて、悶えるところだろうか。
でも、おれは違う。
ほんと、静かに君の事を思っている。
(あの時視線逸らしちゃったけど、嫌われてないかな)
こんな事考えるの、おれらしくないかもしれない。
そう思ってても、人間やっぱり感情には勝てないもので。
《 あの子と恋人になれたらなぁ 》という思いがあった。
途端、夏だけど布団を被りたくなった。
きみが今何してるのか、知りたいな。
＞＜
「へくちっ」
と、気の抜けるくしゃみ。
んー？と、キョロキョロ周りを見回す。
「噂でもされてるのかな」
神白陽依は、頭を掻きながら女子部屋まで戻っていった。
続く
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