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#3 <友達> ページ5

部屋で髪を整えてると、階段から誰かが上がってくる音がする。
どうせ給仕の人だろうと思い、髪を結ぼうとしたその時…


「わっ!」
『うわあっ!?』


横から、聞き覚えのある声に驚かされた。

リリィはその拍子で床に尻餅をつく。
瞑っていた目を開くと…


ストロベリーブロンドの髪の少女と、プラチナブロンドの髪の少女がニコニコ笑っていた。


「ごめんねリリィ!驚かせちゃって。」
『全く…アンジェったら!』

苦笑混じりの表情で、言う。


すると、その後ろからまた階段を駆け上がる音がした。



「大丈夫?さっき大きな音がしたけ…ど…」

美しい青色の髪、琥珀色の瞳の少年が、ドアの前で拍子抜けた顔をしている。
その顔に、まだ床に座り込んでいたリリィは、クスリと笑った。


『ごめんごめん、大丈夫だよベルント。』
「心配したんだからね。リリィ、立てる?」


ため息を衝くベルントは、リリィに片手を差し出す。


『一応、大丈夫かな。』


その手を取って、何とか立ち上がるリリィ。
まだ結んでない延びた黒髪が、彼女の美しさを際立たせる。


「…やっぱり、リリィは綺麗ですわね。」
『あんまり綺麗とか言わないでよー?一応、男なんだから。』


綺麗、と言われたことが不満なのか、口を尖らせて言っている。



「でも、リリィは本当に綺麗よね!
男の子にしておくのが勿体ないぐらい。」

「アンジェの言う通りですわ。


今度、わたくしの服を着てみたらいかがかしら?」



『もー、二人ともー!』


部屋の中での会話は、平和な日々だった。





綺麗な、綺麗な思い出だった。

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作者名:彼岸桜藍 | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2018年11月3日 1時

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