吸血少年吸血少女 (ページ4)

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#2　<日常> ページ4

『…また、この夢か。』

麗らかな日差しの中、眼を冷ます。
時計の針がチクタクと、静かに鳴っている。

『…着替えて、朝御飯食べないと。』

ベッドから起き上がると、クローゼットの中からいつもの服を取り出す。
仕方ないんだ、僕にはあんなヒラヒラの服を着たって、意味がない。

適当に髪を解かし、紐を持ってリビングへ向かう。

此処は、僕の叔父さんの家。

この村の中でも結構大きなこの家を、僕は気に入っている。

「来たかリリィ。おはよう。」
『おはようございます、叔父上。』

堅苦しい挨拶も。
男の服も。

運命だから、仕方ない。

「今日は、またあの三人と遊ぶのかい？」
『はい。
あの3人といると退屈にならないので。』

あの3人とは、アンジェ、ベルント、シンシアの3人。
ベルントとシンシアは、僕と同い年。
アンジェは、ひとつ年上。

…こんな何気ない日常は、僕の心の癒しだった。

あんな男の元とは違う、平和かつ、温かな日々が、大好き。

だけど、こんな日常は、すぐに消えた。

追記

リリィの声は、女にしては少し低い。
(声は作ってる。ほんとは綺麗な声。)