孤独の氷 Ⅱ 【被虐のノエル】 (ページ6)

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・ページ6

「やはり貴様らが関わっていたか…シビラ・ベッカー！」

彼女は至って冷静だ。

「ノエル様が復讐を決めたとするならば、次はどう動くか…予想は簡単でしたよ。」

淡々と告げるシビラ。

ノエルは激昂した。
彼女の名を呼び、フーッ、と息を荒くし、威嚇するような目で睨んでいる。
それも当然だろう。
実質、ノエルからピアノを奪ったのはこの女であるのだから。

だが、彼女ひとりでは大悪魔二人と魔人相手に勝てるはずはない。
一斉に襲い掛かりでもすれば、勝ち目はあるのだ。
けれど、シビラの言葉にミシェルは再び違和感を感じた。
そういえば、自分達が立っている床だけ、どうして柄が違うのだろうか？

突如、浮遊感が四人を襲う。

下を見れば、暗闇。
自分達はまんまと罠に嵌ったのだ。
誰も助けてくれるはずは無いのに、ミシェルは上に向かって手を伸ばした。

「…」

シビラしかいない空間に、ぽちゃん、という音が響いた。

「大悪魔カロン…海の底で、自分のした事を悔やみなさい…！」

・

「わたくしたちは、またしてもあの女の罠に…！」

潮の匂いがする迷宮の中、その声は怒りを含んでいた。
でも、これでハッキリとわかった。
アクエリアス(ここ)はバロウズと繋がっている。

が、ここにいてもしょうがない。
出口を探すため、四人は先に進んだ。