孤独の氷 Ⅱ 【被虐のノエル】 (ページ4)

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復讐をしかけるなら、こちらからでなければいけない。

どこからか持ってきた煙草を吸う振りをしながらノワールがミシェルに言った。
あっちはあっちで話し合うらしく、今もなにかを話している。

「元々、お前は独りで復讐をすると言ったのに…まさか、あんな小娘の仲間になろうとはなぁ」

妾も驚きじゃ、と見た目にそぐわない笑い方をした。
ミシェルの血のような赤の目がノワールを一瞥し、その視線はすぐミシェルの手に戻された。
冷酷の魔女という名の自身が、他人の手助けをする日が来るなど誰が考えたか。

「ミシェル。お前は一体あの小娘の手助けをして何をするつもりだ？｣

「…別に。ほんの気紛れ」

素っ気なく返したミシェルにおどけたような仕草をしたノワール。
二人は長いこと一緒にいるおかげで、相手が何を考えているのかちょっぴり分かるようになってきてしまった。
ノワールもミシェルのノエルに向けての気持ちが、何となくわかっているのだろう。

彼女が自覚することが出来ない、奪われた気持ちが。

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ときどき、ノエルはミシェルがとても儚く見える。
ほんの一瞬でも目を離したら、雪のように溶けて消えてしまうんじゃないかと。
積雪に紛れて、どこか遠くへ行ってしまうんじゃないかと。
彼女は力こそ強いが見た目は弱々しい女の姿で、自分よりも肌が白い。

ふと、カロンと話してる間にミシェルと目が合った。
彼女はすぐにノワールに向き直った為、視線が交わったのはほんの刹那の時間だった。
血の滲んだような赤は、少し悲しげに揺れていた気がした。

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長いこと更新してなくてすいません…(；；)
最近忙しく、あまりこちらに手を付けてませんでした。
これからはちゃんと更新します。