BLACK. (ページ17)

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Part 17 ページ17

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『へジョン！』

ジヨンのLIVEに行くという話から二週間。

当日までは、時間が経つのがとても早くて

ドームの前に着いた時は

ドキドキが止まらなかった。

「A～」

『ホントに最前列何だね。笑』

「ホントだよ。笑 ………どうしたの？」

『え？』

「どうして泣いてるの」

『…ほんとだ』

少し鼻がツーンとしたのか気付いていたけど、

涙が出ていたのは分からなかった。

『ごめんね。少しだけ外の空気吸わせて』

「全然！チケット持って行って」

『すぐに戻るから！』

LIVEが始まるのはもうすぐで

外にはあまり人が居らず、

スラスラと歩けた。

煙草に火をつけた途端

聞こえてきた歓声。

始まる前の音楽が流れているんだ

ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

『…もしもし？』

「A？もう始まっちゃうよ」

『…ごめん。ホントはね』

「ん？」

『こんなLIVEになんか来たくなかった』

「…え。そんな、」

『前の！…前に話した男。
本当はジヨンの事だったんだよ

手の届かない存在も
もう二度と会うこともないって事も、』

「A…ごめん………」

『…ん……？』

「始まっちゃった」

その瞬間、警備員が来たのか

ごめん！って言って電話は切れた。

今、この瞬間、

ジヨンは中に居て、会える距離に居る。

そう思うと心臓は飛び出してしまいそうで

会いたくて堪らなくなってしまう。

・

・

・

H「A！」

『…ジヨン………』

ジヨンの姿を見た瞬間、

我慢しきれずに泣き崩れてしまった。