BLACK. (ページ11)

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Part 11 ページ11

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朝、目が覚めるとジヨンは居なくて

目だけを動かしてたら

スーツに着替えてるジヨン。

どっかのお偉いさんと会うのかな

『…』

起きているけど寝ているフリして

昨日言ってた事忘れているのか

そそくさと家を後にした。

まぁ期待していなかったなんて言えば嘘になるけど

口だけって事は気がついてた。

『また、これだよ』

また都合の良い女になってしまった。

また繰り返してしまった。

もう辞めようなんて口だけ

『…っ』

今まで我慢してた涙が全部出てきて

そんな涙は止まることを知らなくて

馬鹿を見るのは、いつもの事だけど

今回は少し、少しだけ辛すぎる。

ガチャ

不意に聞こえたドアが開く音

ほのかに香るジヨンの香水

何かを忘れたのか、引き出しを開けたり閉めたり

「…A」

もう…呼ばないで。

「……起きてる？」

話しかけないで。

触れないで。

「…ごめん」

謝らないで。

余計惨めになるから。

「…」

キスなんてしないで。

私の気持ちに薄々気付いてるくせに

ガチャン

ドアの閉じる音が聞こえて

あぁ…今度こそ終わりだ。と思った

忘れる事は難しいのに、

思い出す事は簡単なのは、何故？

いつも、馬鹿みるのは相手じゃなくて

いつも、私の方なのは何故？

夢ぐらい見させて欲しいよ。