花吐く私の恋模様【赤井秀一】 (ページ2)

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1輪ページ2

あれはいつの日だっただろう

彼を見たら心臓が痛いくらい鳴り響きだした
そして気づいた
彼に恋してしまったことを

ありえないと何度も頭を振って考えを消そうとしたけど、目をつぶっている時もお風呂に入っている時も瞼に映るのは彼の顔だった

別に大したことをされてない

よくある恋愛漫画みたいなことも起こってない

だけどたまに笑うところとか、仕事に真摯なところとか、男らしい体とか、優しく撫でてくれる手とか
気づいたら全てが好きになっていた。

でも彼は同僚の女の人と話してて嫉妬を覚えるばかりで。
でもイライラしてると私の方にやってきて優しく頭を撫でてくれる。
それだけで機嫌が戻る私も私だけど、嬉しかった。

それだけで良かったのに、私の心は貪欲で彼が欲しいと願ってしまった。

彼が愛してるのは私じゃなくて、亡くなった彼女
だから私は愛されない。わかってたはずなのに心が苦しかった

この時初めて恋愛のことで涙を流した。

泣いているとなにか喉に違和感を覚えた。
喉に絡みつくような、ガサガサとした感触
それを出そうと咳をしても出てくるのは乾いた咳だけで気分が悪くなった

咳を繰り返していると彼がやってきた

「どうした？気分でも悪いのか？」

「なんでもないよ、気にしないで」

「そうか…あまり無理をするなよ」

「わかってる」

会話を終え戻って行った彼を見ていると突然吐き気が襲ってきた

急いでトイレに駆け込み個室に入るとすぐに吐いてしまった
ふと下を見ると花弁と花が落ちていた
なんで花なんか…と思って【花吐く】と検索してみた
ヒットしたのは＂花吐き病＂という病気だった
花吐き病というのは片想いを拗らせるとなるようで、治療法は見つかってないそうだが相手と両想いになると白銀の百合を吐いて完治するらしい

そんなこと叶わないな、と思いつつ花の名前を調べたらアネモネの花だった
花言葉は"はかない恋"または"恋の苦しみ"

私にピッタリじゃない…なんて1人苦笑した。

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花吐き病についてはpixiv百科事典からです。

花吐き病というのは松田奈緒子様の描いた漫画『花吐き乙女』に登場する奇病です。

夢主の設定としてはご想像にお任せしますが、
FBI捜査官で赤井さんの同僚という設定は崩さぬようお願いします