特殊任務処理班【企画小説】

18.【鈴鹿 華】 ページ18

レウェントについての情報収集を命じられたハッキング班の一人、鈴鹿華はパソコンに向き合っていた。

「鈴鹿さん、なーに調べてるの？」

横から同僚である梅宮紫音に声をかけられ、一度手を止めた。彼女も同じ組織についての情報収集を行っている。

「ええ、レウェントやそれと関わるものを調べてるんです。主に…」

噂を。梅宮は怪訝そうな顔をして「何で噂なの？」と言った。

「火のないところに煙は立たず、ですよ。週刊紙の内容や噂話…レウェントよりそこに関わる会社などを調べるのもいいと思いまして」

「お得意のハッキングはどうなのよ…」

「すみません、苦手で…」

苦笑いを浮かべて言葉を返し、梅宮は少し考えるようなしぐさをした後、自分の持ち場に戻っていった。

　レウェントを調べる時間はまだまだある。おそらく多数はレウェントについての情報を調べているだろうから、いざというときに外堀を埋める情報を得るため、関係していたところについての悪評や内情を調べあげる。


…その合間に少しずつ預かった書類の処理も行っていた。今は忙しいのでしばらく預かることはないかもしれない。

戦闘班の幼なじみの心配もしていたが、今は自分のやるべきことをこなすのみだと思い、腕を動かす。
今はただ目的を達成するために意識を集中させて情報を得るために。

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