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スーパーに寄り、無事食材を仕入れてきたAは、帰宅して早々にキッチンに立った。
まずは己の昼食である。
冷蔵庫にカニカマが眠っているのを覚えていたAは、昼食はこれにしようと決めていたのだ。
まずは冷蔵庫からカニカマを取り出してその身を軽くほぐす。ほぐしすぎるとカニカマが消えるので、やり過ぎには注意だ。
そしてフライパンに、水、料理酒、醤油、鶏がらスープの素、ごま油、塩と胡椒、そして片栗粉を入れ、軽く混ぜ合わせ中火にかける。沸騰してとろみが出たら火からおろして一旦ボウルに移す。
食欲をそそる匂いがして、たまらずAの腹が鳴った。だがこれはまだあくまでもタレである。
別のボウルに卵を4つ入れて、先程ほぐしたカニカマを加え、混ぜ合わせる。
中火に熱したフライパンにごま油をしき、この溶き卵を流し入れる。固まりすぎないよう軽く菜箸で混ぜながら、頃合いを見て火を止める。
これでほぼほぼ完成。あとは白米にかけるだけだ。
器にご飯をよそい、卵をのっけて、タレをかける。包丁もまな板もいらない、その上時間もかからない、超お手軽天津飯。このままだと色味が卵の黄色とカニカマの赤色しかないから、青ネギやグリンピースを上に乗せると綺麗になる。ちなみにAは青ネギをのっけた。
(はぁ〜うまそ)
冷めぬうちに早く食べなければ、と謎の使命感にかられて、卵とご飯そして餡をスプーンでひとくちすくった。
ふわふわの卵と醤油ベースの餡が実によく馴染む。そしてそれが白米とよくからまって、あっさりとしているが、物足りなさを感じない一品に仕上がっていた。
(うっま……)
夢中で天津飯をかきこんだAは、最後のひとくちを食べ終えて、満足したように一息をつく。
ちなみに、テーブルに用意された天津飯は2人前。
残されたもう1つにラップをかけて、その他の食器を片付けた。
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(美味いなこれ)
先程Aがラップをかけていた天津飯。
それを食すのは、Aが片付けを終えて自室に戻った約20分ほど後に帰宅した彼の弟──焦凍である。
出来たてに比べて、レンジで温め直しために卵は少しだけ固くなってしまったが、それでも十分に美味しかった。
「ごちそうさまでした」
作り手には届かない声。
そして焦凍も、この天津飯を誰が作ったのかを知りもしなかった。
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天照(プロフ) - 続きずっと待ってます！ (2月20日 19時) (
レス) @page41 id: aa210f3daf (このIDを非表示/違反報告)
薄氷槐 - くぅッ…！続きが気になるッ！更新無理せず頑張ってください！応援してます╰(*´︶`*)╯♡ (12月12日 15時) (レス) @page41 id: 318600bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - 一話から全部見直しました！何回読んでも最高です！続きの更新楽しみに待ってます( ^ω^ ) (12月9日 2時) (レス) id: de4c1d5b4a (このIDを非表示/違反報告)
メロンパン - 続き楽しみに待ってます。 (9月7日 18時) (レス) id: 77fdb417b6 (このIDを非表示/違反報告)
aiueo - 続き楽しみです。待っています！ (8月26日 11時) (レス) @page41 id: 8996259c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：火月 | 作成日時：2022年3月6日 13時
