荒北の妹が可愛い訳無い！【東堂尽八】、【真波山岳】

精一杯 ページ24

A視点






保健の先生に感謝しなくちゃっ！








そう思いながら私は、全力で走った







走った







走った






息が上がる






苦しくて、辛い






真波君の家は、知らない。







けど、なんだろう．．．






会える気がするんだ







こうやって、真波君の居そうな場所に行けば。








きっと君に会える








不確かな、そんな訳の分からない根拠だけど






何となくそう思っちゃうんだ







なのに、もう空が赤くなってきた





真波君が居そうな場所は全部行った




でも、彼はいない






そりゃそうだよね、熱があるんだもん外になんかいる筈ないじゃん







それでも、走り続けた。






分かっているのに…何でなんだろう







自分でも、少し可笑しいなぁなんて思った








その時、ふと足を止めた








なんだろう、ここに真波君がいる気がする







そこは、とてつもない坂







『真波君は、こういう所好きだよね…多分』






いるかどうかなんて分からない






でも、少しでもいるかもしれないって可能性があるなら







────私は、全力で走るよ。真波君









坂を駆け上がった







走って







走って







走った







人が行ける所まで走った







もう、空は暗い







辺りを見廻す







でも、真波君は見当たら無かった







はぁ〜、バカだなぁ私








いる訳ないじゃん、だって熱なんだよ







そう思うと





自分が、何も知らなくて不甲斐なくて自然と涙が溢れて来た








？｢どうしたの？Aちゃん」






この声．．．







私がずっと聴きたかった声







『真波君！！！』






真｢うん、俺だけど。って泣いてる！どうしたの！」






『真波君が、今日休んだから心配で．．．！！！ 』









『なのに、外でしかもこんな所にいて…今日寂しかったんだ、真波君がいなくて．．． 』








真｢うん」








『お見舞いに行きたかったけど、真波君家わかんないから…でも、会いたかったから。もしかしたら真波君は、こんな時でも坂にいるかなって、そう思ったらね。学校も早退して、真波君を探しちゃったんだ、ダメだよね… 』









真｢．．．とう。」








次数関係によりすみません！

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