story89 ページ41
慧「こんにちは。」
涼介「えっ...!!?」
後ろから聞こえてきた声は、聞き覚えのある高めの声。
振り向くと、喪服に身を包み、中性的な顔を持っている
涼介「伊野尾さん...。」
慧「確か...リョウスケくん...だよね?」
涼介「はい...。」
コツコツと革靴を鳴らしながら、俺の元へ歩いてくる。
手前でピタッと止まると
慧「ちょっと、話さない?」
にこりと笑って、ベンチを指さした。
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慧「う〜、寒っ...。」
涼介「あの...話って?」
喪服の上に着た茶色のコートの襟を掴んで、顔を隠すようにする伊野尾さん。
チラッと横を見ると、綺麗な横顔が見えて
綺麗な形の唇から、白い息が見えた。
慧「Aと別れた時ね...どうして、Aが別れたいって言ったのか
理由が分からなかった。」
涼介「...。」
慧「でも、後から良く考えてみたら...好きって感情が無くなったからなんて理由じゃない。
Aは、自分の事も俺の事も考えた上で___あの決断をしたんだって。
...あの時の俺では、Aの側に居れない...きっと、大学ばかりが頭にあると思う。
...本当に大切な物って、失って初めて気付くんだよ。」
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慧「そんな事に気付いた時には__もう、遅かった。
一度会いに行ったんだ、Aに。」
涼介「....!?」
目を見開いて伊野尾さんを見ると、俺に気付いて ふっ と笑った。
慧「その時にはもう...君がいた。
Aの側に、笑わせてあげれる存在となってた君に____...勝てるはずがないって思った。
...生きてるうちに、もう一度 Aに会いたかった。
でも...もう会えない。
うじうじと考えてたら、いつの間にかこんな季節になって..._____Aのお父さんから
”Aが亡くなった“...って、連絡がきた。」
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涼介「A...伊野尾さんの心配してましたよ。」
慧「え...__?」
涼介「『あんな酷い別れ方して...かなり傷付けちゃったよね...。』って。
何日か経つと、またそれを繰り返してるんです(笑)」
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みーちゃん - とっても感動しました。今テスト期間中で息抜きをするために見ていたのに涙腺崩壊しすぎて勉強どころじゃなかったです。思わず亡くなった愛犬と重ね合わせてしまいました。そしてこの物語を読んで医者になりたいと思いました。これからも素敵なお話待ってます!!!! (2022年10月27日 17時) (レス) @page50 id: c88c134d3d (このIDを非表示/違反報告)
まなみ - めちゃくちゃ感動して(名前)ちゃんの手紙読み終わった時には涙が溢れ出してました、、他の作品も読みましたが感動する作品ばかりですね!これからもがんばってください!応援しています!!!!!!! (2020年12月30日 14時) (レス) id: 42fb8a39ca (このIDを非表示/違反報告)
知念菜々(プロフ) - とても感動しました!読み終わる頃には涙腺崩壊してました笑とても素敵な作品だと思います!これからも頑張ってください! (2019年12月5日 16時) (レス) id: 70738b0893 (このIDを非表示/違反報告)
わーちゃん - めちゃくちゃ感動しました! (2019年10月10日 22時) (レス) id: d97cd47bcf (このIDを非表示/違反報告)
ありたん - とても感動しました!何回読んでも泣けます。素晴らしい小説をありがとうございます! (2019年4月3日 10時) (レス) id: c33aeb4fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:♪くるすけ♪ | 作成日時:2016年8月7日 11時