9人のドS〇〇達…【30】

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大貴side







血の香りが濃くなった。

知念が言うにはあと少しで着く。

ただ何階かは分からないけど、吉沢の事だから最上階のはず。








知「あそこだけど…絶対あそこだね。」

中「匂いが凄いな…。」







やっぱり最上階。

近付くにつれて、血の匂いが強い原因が分かった。



ﾍﾞﾗﾝﾀﾞから侵入するつもりだったんだけど、扉のｶﾞﾗｽが割れてる。

外側にも内側にも散らばるぐらい勢い良く割れたんだろう。







ﾊﾟﾘｯ…







部屋に散らばるｶﾞﾗｽを踏みながら、慎重に中に入った。




誰がこんな風にしたのかは想像ついたけど

誰が、なんて思いたくないぐらい悲惨な光景。








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光「なんだ…これ。」

圭「酷いね…。」

高「…こいつ吉沢か。」

知「ほんとだ。…一応息はあるね。」

中「この女性、虫の息だよ。こっちの治療が先だ。」








倒れている人達を1人1人確認していく。

一応全員生きてはいた。

血の量からして危険な場所に立ってるけど、死にはしないと知念は言う。







ただ…








知「A 居ない…。」

薮「微かにAの血の匂いも混じってる、…怪我してるかもしれないから早く見つけないと…。」

慧「たぶんまだvampireの姿だろうから、外には逃げてないよ。」








薮「…山田と大ちゃんでA探してくれ。

知念と裕翔と伊野尾で怪我人の治療。
あとは部屋を元通りにするぞ。」







涼・大「「了解。」」







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涼「俺こっち行くわ。」

大「おっけ。」







他の部屋を探すんだけど…部屋多すぎるだろ。




ここの家 全体に血の匂いが充満してるから、鼻が全く効かない。

地道に探していき、15畳ぐらいある部屋に辿り着いた。







…ここの部屋だけ匂いが新しい。

しかも床のﾌﾛｰﾘﾝｸﾞに、血の足跡が付いてる。
足跡の先はｸﾛｰｾﾞｯﾄへと続いていた。







ｶﾞﾁｬ…








大「…A見っけ。」

あ「っ…。」







二段になっているｸﾛｰｾﾞｯﾄの上の段に
服は破れてﾎﾞﾛﾎﾞﾛ、血で汚れてるAがいた。




見た限り右手首と足の裏、顔も怪我してる。
服で隠れてる部分も怪我してる可能性はある。




血で汚れ、涙でも濡れた顔。
表情は、恐怖でかなり怯えていた。








大「A、おいで?」








出来るだけ、これ以上怖がらせないように優しく。







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