9人のドS〇〇達…【20】 (ページ46)

今日:19 hit、昨日:27 hit、合計:1,112,784 hit

987 ページ46

千尋「＿＿＿＿…貴方は、涼介を殺したり…しないよね?」

あ「殺す…って…。」

千尋「…前にね、…涼介、1度死んだのよ…。」

…その死んだの、って…

あ「ど…して…ですか?」

千尋「Aちゃんと同じ、人間の女の子を助けるために…聖水に飛び込んだって。

馬鹿よね…自殺するようなものなのに。
いくら力の持った涼介でも、死ぬに決まってる。

…案の定、涼介は消えてしまった。

お父様が魔術師の人達と、なんとかして生き返らせることが出来たけど…

涼介が1度死んだことに変わりはないんだから。」

.

.

.

.

.

.

.
あ「っ…。」

息が、出来なかった、

言葉が詰まって、何も言えなくなった、

瞬きさえも忘れて、背中を冷や汗がﾂｩｯと落ちる、

そんな私に気付かず、涼介君のお姉さんは話を進めた。

千尋「私ね…息を吹き返した時の涼介に言ったの…。

"たかが人間のために、命を落とすようなﾏﾈは二度としないで"

って…。」

あ「涼介君は…なんて…?」

涼介君のお姉さんは、抜けるような笑いを1つこぼし、

千尋「…"愛する女を守って何が悪い"って。

"姉ちゃんには関係ないだろ"って…言ったわ。」

.

.

.

.
千尋「私ね、何度も引き止めた。人間界に帰るって言う涼介を。

大切な…弟だもの、たった1つしか離れてなくても…弟に変わりはないの、

私には…まだ小さい弟なの。

だけど…涼介は"帰る"の一点張り。

だから条件付きで帰したわ。

"涼介を殺すような女の子とは付き合うな"って。」

涼介君のことを大事に思ってるから…、

大切過ぎるんだ。

涼介君のお姉さんは…瞳を潤ませて、声を震わせていた。

ずっと下を向いていた涼介君のお姉さんの瞳から、1粒だけ滴が床に落ちた。

それを目で追う暇もない私は、…ただ無言で涼介君のお姉さんを見ていた。

.

.

.

.
千尋「そしたらね、涼介言ったの。

"分かった"って。

それから1年も経ってないけど…まさか彼女と里帰りしてくるなんて思ってなかった。

だけど…Aちゃんみたいな優しくて可愛らしい子で良かった…。」

.

.