9人のドS〇〇達…【20】 (ページ31)

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涼「…A。」

あ「はい…?」

弱々しい声で私の名前を呼び、近かった体の距離を離すと

涼介君は眉を寄せながら

涼「…人間界に帰るか?」

そう、言った。

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あ「っ帰りません…!!」

涼「でも。…これ以上ここにいて、、Aにとっていい事なんて無いんだぞ?」

あ「でもっ…、…でも…このまま帰ったら、陛下からの見られ方も悪いままです…。

私…負けたくないんです。」

このまま引き下がって、逃げた、って思われるのが。

一番嫌なの、そんな中途半端なまま帰るなんて。

涼「…はぁ。」

あ「…我が儘だって、分かってます…。」

涼「連れてきたのは俺だからな…。いいよ、Aのしたいようにすればいい。」

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涼「…けど、しばらくは守れなくなる。」

あ「…?」

涼「明日から仕事詰め込まれてんだよ…。

俺以外なら空いてる奴いるけど、俺自身で守ることが出来なくなるんだ。

…しばらくは、会うことも出来なくなる…。」

会うこと、も…出来ないの?

ここに来た時に気が付いたのは、電波がないってこと。どこに行っても"圏外"の文字は変わらない。

連絡が取り合えないなら、直接会うことしか出来ないのに…それすらも出来ないなんて…。

だけど…

あ「そうなんですね、…お仕事頑張って下さい。」

涼「…!それだけか?」

あ「だって…"嫌だ、会いたい"なんて我が儘言ったところで、通用する訳でもないでしょう?」

そんな我が儘言ったら、陛下からの見られ方も余計に酷くなるだけ。

私が我慢すれば良いんだから…それだけ我慢すれば…。

涼「…俺が嫌なんだよ。」

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座っていた涼介君が、私の視界から消えて
ﾍﾞｯﾄﾞの軋む音が聞こえた。

視線を向けると、後ろに倒れ込むようにﾍﾞｯﾄﾞに寝転んだ涼介君が

目の上に手を当てて、私からは顔が見えないように隠していた。

唯一見える口元は、笑ってるわけでもなく、悔しそうに食いしばってる訳でもない。

ため息を付きながら、小さく口を開けていた。

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