9人のドS〇〇達…【20】 (ページ25)

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あ「…。」

陛下「立ったままじゃ大変だろう。そこに掛けなさい。」

陛下が座る椅子のそばにあったｿﾌｧｰ、そこを指さすから、頭を下げて静かに座る。

陛下「…さて。

さっきまで、私と涼介が話してた内容を覚えてるかな?」

あ「…はい。」

ｸﾞｯ、と手に力が入る。

息を飲み、次に放つ陛下の言葉を待った。

陛下「では、君にも同じことを聞こうか…。」

あ「…。」

陛下「君は…涼介に何を求めている?」

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陛下「…金か?地位か?…涼介が国の王子だと知って、何を思った。」

あ「…私は、お金も地位も求めていません。ただ涼介君と付き合えてるだけで十分なんです。

それに、涼介君が王子だと知った時も…何も思いませんでした。」

涼介君が王子であろうが、vampireであろうが、涼介君は涼介君だから。

私が大好きな人が涼介君であるのに変わりはないから。

陛下「…あとは?」

あ「そばに…いたいんです。涼介君の彼女として。」

陛下「なるほど。…彼女、としてか。」

ｺﾞﾛｺﾞﾛと喉を鳴らす猫を、優しい手つきで撫でる陛下。

陛下「…"妻"となることを、考えたりは?」

あ「つっ、っつ、つ妻…っ!!?」

陛下「まだ考えてないか。」

思わずｿﾌｧｰから立ち上がってしまった。

けどすぐに冷静さを取り戻して、静かに座って

あ「…いずれは。そう、考えてるつもりです…。」

陛下「…そうか。」

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陛下「涼介の立場を考えたことはあるかな?」

あ「え…。」

陛下「涼介は人間界では普通の大学生。

だけど、この世界では…私の跡取り息子なんだ。
次期国王として、その勉強をさせるために…今回はここに戻した。」

…分かってた。

ここに来るってことは、涼介君との関係を聞かれるって、涼介君との立場の差を痛感させられるってことくらい。

だけど…改めて言われると…余計に苦しい。

涼介君のお父さんから、国王陛下から言われると余計に辛い。

国王陛下は…私に何を求めているんだろう

私にどんな言葉を放てと言ってるんだろう

私は…どんな言葉を返せばいいんだろう

あ「…分かって、ます。」

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