9人のドS〇〇達…【20】 (ページ24)

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私の体を抱き抱えていた涼介君は、慧君にかけられた催眠術によって眠りについてしまって。

だからもちろん、私の体も落ちてしまうわけで。

だけど、ｷﾞﾘｷﾞﾘの所で慧君が助けてくれたから怪我はなく。

地面に足がついたのを確認してから、慧君の手が離れていって、後ろから薮君と光君が歩いてきた。

慧「陛下。勝手な行動をして…申し訳ございません。」

陛下「いや、気にするな。涼介を部屋にまで連れて行ってくれ。」

慧「承知しました。」

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薮君達が涼介君を連れて行き、無駄に広い部屋には

私と、国王陛下と、黒猫のｼｬﾑちゃんだけが残っていた。

覚悟を決め、足を国王陛下の元へと動かす。

出来るだけ…

出来るだけ、ﾋｰﾙの音を立てずに静かに歩く。

長い裾を引きずらないように

慎重に、慎重に。

そんな私を見て、面白そうに笑う陛下は何も言わずに、ただ見ていた。

やっとの思いで辿り着く。

一応階段を登らずにいたけど、陛下の目が"ここまで来なさい"と、言ってるように見えて

また足を進めた。

ｺﾂ…ﾝ…

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あ「……。」

陛下「…よく来たね。」

ﾆｺﾘと笑う顔は、やっぱり親子なんだ。

涼介君と似ている。

だけど…涼介君とは何かが違う。心が込もってない。冷たく、見下すような笑みだった。

あ「＿＿＿お初にお目にかかります…。

一条 Aと申します。」

小さい頃から親の会社のﾊﾟｰﾃｨｰに出させてもらってたのが、こんな所で役に立つなんて思わなかった。

言葉遣い、自己紹介、ﾃｰﾌﾞﾙﾏﾅｰ、いろいろなことを教わった。

今、初めて教わってて良かったと思った。

陛下「いやいや…涼介がこんなお綺麗な女性を連れてくるとは思わなかったよ。」

あ「お褒めのお言葉…ありがとうございます。」

陛下「…育ちが良さそうだね。」

頭の上から足の先まで見られ、きっと言葉遣いや、体の動かし方も見られてる。

そんな視線に動揺してる場合じゃないし、怯えてる場合でもない。

堂々としていなきゃ…この空気感にあっという間に飲まれてしまうから。

私は、陛下との視線を決してそらさなかった。

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