9人のドS〇〇達…【20】 (ページ23)

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完全に体を涼介君に預けたままで、身動きが取れなくなってしまった。

ｷﾞｭｯと私の体を抱き締める涼介君の腕は、いつもより力が入っていて。

それには国王陛下も気付いたのか、ｸｽﾘと笑いながら

陛下「…一歩間違えたらAさんが怪我をすることになるぞ?」

涼「させませんので。」

陛下「ほう…。で? なぜAさんを引き止めた。

お前は下がれと言ったはずだが?」

一気に冷たい視線を涼介君に向ける陛下。

黒猫も気味が悪いほどｼﾝｸﾛして、こちらを見ている。

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涼「…Aに何を話すつもりですか。」

陛下「お前には関係ない。」

涼「そうですか…。でしたらAは連れて行きます。」

あ「え＿＿＿きゃ、っ…!!」

また後ろに引っ張られた、と思ったら膝の裏に腕が回ってきて、体がﾌﾜｯと持ち上がる。

国王陛下に頭を下げ、涼介君は背を向けた。

階段を降り始める涼介君を押すわけにもいかず、ただ焦ってた。

え、ほんとに?
このまま帰っちゃったら、私余計に陛下に嫌われる気が…。

陛下「まったく…。

薮君、八乙女君。涼介を外に連れて行ってくれないか。」

後ろから聞こえたその声に、薮君と光君はすぐさま涼介君の目の前に現れた。

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光「…山＿＿…殿下。Aをお渡し下さい。」

涼「…。」

薮「殿下。」

薮君も光君も…さすがにここでは敬語なんだ。

なんか違和感…。

薮君や光君が、涼介君のことを”殿下”と呼ぶ度に
涼介君の、私を抱き抱える腕にｸﾞｯと力が入る。

あ「…涼介君。」

薮「殿下。」

涼「っ…その殿下呼び、やめろって言っただろ…。」

薮「…Aを、渡して下さい。」

殿下、とは呼ばなくなったけど敬語のままの薮君に
涼介君は小さく舌打ちをした。

そして、薮君達を避けて扉の方に走り出す。

もちろん私を連れたままで。

涼「っ＿＿＿!!」

あ「慧君…。」

慧「…失礼します。」

ﾄﾞｻｯ＿＿＿!!

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あ「っ…、慧君…?」

慧「A、陛下の元へ行って。」

あ「あ…はい。」

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