7 ページ12
僕は某動画サイトで生配信を開く
深呼吸をすると重い空気が肺の中に入ってくる感じがする
けど、これは自分のために...自分たちのためには配信をしなければならなかった
コメントを見ると心無い言葉を投げかける人や、心配してくる人、様々な人がいた
今すぐに逃げ出したい
天「大丈夫だよ」
天月くんの一言で我に返る
僕はもう一度深呼吸をして音をのせた
ま「みなさん...少し昔の話をさせて下さい」
コメントを見るのが嫌だ
僕はみんなの事を無視して、何回も目を瞑って深呼吸をして話し始めた
ま「僕の彼女は高校のときに出会いました」
Aは誰にでもニコニコしながら話していた
それは僕にもだ
筆箱を落としてしまった時も、登校してきた時も、目が合った時も
ニコニコ笑いながら話しかけてきてくれる
僕にとってAは憧れの人だった
それが恋愛感情になるのは遅くはなかったんだ
ま「彼女はふとした時に悲しいそうな顔をするんです
そして、一人きりになった時に周囲を確認して泣いてしまう...」
僕は知っていた
Aが体育館裏に行っては泣いている事を
僕は泣いている姿を見て、すんなりと恋に落ちてしまった
ニコニコしているその顔がぐしゃぐしゃになっていく姿が可愛らしく、少し赤くなっている頬に
伝う涙が美しく、一瞬で好きになってしまったんだ
ま「こんな事を言って皆が...皆さんが引くのは分かってます
けど、僕は強がって笑う彼女が愛おしくてたまらなかったんです」
信じてくださいと言うと数秒の沈黙が続く
沈黙が気になったのか、ミュートにしていた天月くんが大丈夫?と心配してくれた
僕が大丈夫と答えると天月くんは僕が泣いている事に気づいたのか、話を簡単にまとめて
炎上に事について否定してくれた
Aは僕と付き合っていて幸せだと言っていた事、僕はそんな事をする人間じゃない事、
Aと僕に幸せをもらった人がたくさんいる事...
そんな事を聞いてまた涙が溢れてきた
そして
ブーッ...ブーッ...
携帯電話が鳴った
画面を確認すると非通知だったので、僕は助けを僻むかのように必死に電話に出た
『もしも〜し!』
僕はこの声に、彼女にどれだけ救われれば気が済むんだろう
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月星空 | 作成日時:2022年12月1日 14時