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A「お待たせ。持ってきたよ」
侑「ありがとお!遅かったけど大丈夫?」
A「りんくんが具合悪くなったのか、お手洗いって」
銀島「あいつ元気そうやったけどなぁ…」
首をかしげている銀ちゃん。
確かにりんくんは元気そうではあった。
A「時間が経ったら大丈夫って言ってたから、しばらくして戻ってこなかったら様子見に行ってみます」
侑「優しいなあ、ほたっててええのに。
でさ、ここの問題なんやけど!」
A「ここはね…」
実を言うと、ちゃんと勉強せずに遊んでしまうのでは、と思っていた。
しかし、みんなが勉強にちゃんと向き合っている。
ご褒美、バレー合宿、北さんの圧などがいい具合に働いたのだろう。
いつのまにか、銀ちゃんと治くんはお互いに教え合っている。
ほどなくしてりんくんも戻ってきて、けろっとした顔で椅子に座って勉強を再開した。
これは北さんにいいご報告ができるのでは、という期待が胸に宿る。
よし、あたしも。
お互いを高め合える仲間に出会えて幸運だった。
侑「あーーーー、疲れた!!」
治「ほんま一生分勉強した気分や…」
角名「いや、これからめちゃくちゃあるからね」
銀島「Aほんまにありがとうな!」
A「こちらこそ、楽しく勉強できて一石二鳥だった!」
治「一石二鳥…さっきやった気がするな…」
銀島「頑張れ、思い出せ治!」
みんなを見送って、ガランと静かになった部屋に戻る。
反動もあってか、とても寂しい気持ちになる。
いつの間にか、みんなのことを本当に好きになっていたんだなぁと気付かされる。
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作者名:智紀りょう | 作成日時:2023年2月9日 14時