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本棚から目当ての参考書を取って、リビングに戻ろうとすると、部屋の前にりんくんが立っていた。
A「りんく、」
話そうとしたら、りんくんからしーっと口に指を当てられる。
ジェスチャーで、部屋に入っていいかと聞かれたので、頷いて部屋に招く。
A「りんくん、どうしたの?」
声を小さくして彼に問うと、いたずらっぽい笑みを浮かべた角名くんが言う。
角名「Aと2人っきりになりたくて」
いつの間にかあたしはドアを背にしていて、りんくんから左右に手をつかれて逃げ道を無くしていた。
角名「…俺にもご褒美、ちょうだい?」
A「っ、りんくん…」
りんくんは高い背を器用に折りたたみ、顔をあたしの耳に近付けてささやく。
あたしの耳元に顔を埋めているような体勢なので、息がかかり、声が響いて、とてもこそばゆい。
つい、体がピクリと反応してしまい、恥ずかしくなる。
角名「あーーーー…ほんとにAは、俺たちの理性に感謝した方がいいよ…。
ちょっと…お手洗い貸して…」
A「??
具合悪くなった?大丈夫?」
角名「大丈夫大丈夫。ちょっと時間経ったらおさまるから」
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作者名:智紀りょう | 作成日時:2023年2月9日 14時