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あたしは思っていた。
自分が我慢して上手くいくなら、それでいいんじゃないかって。
今回もそう思った。
だから、助けを求めるスタンプを送らずにここまで来た。
でも、本当に助けがいらないと思っていたら、携帯の電源を自ら落として、位置情報を分からないようにするべきだったのだ。
突然の出来事で、そこまで頭が回らなかったというのもある。
でも確実に、またみんなのところに帰りたいという気持ちもあったのだ。
そして、あたしが我慢しても、みんなは危なくても助けに来てくれるんだと言うことが分かった。
みんなを最終的に危ない目にあわせてしまった。
A「…これからは、自分の安全もある程度守っていかないといけないなぁ」
「あん？」
A「いいえ。やりましょう」
「…勝負に臨むとき、相手のことは調べます。
どんな癖があるのか、なにが得意技なのか…やったっけ？
調べてんけどなぁ、Aちゃんの弱点」
A「仲間を人質に取られるのは、確かに弱みかもしれません。
…せやけど、守りたいから最強にもなれるんやで」
男は何かしらを考えているようだったが、頭を掻きむしって顔を上げた。
「あかん、今なにを考えてもまとまらん。
終わってから考えるわ。
……いくで」
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作者名：智紀りょう | 作成日時：2023年2月9日 14時
