キミの風邪薬《Kota》 ページ41
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「こんだけ食えりゃ、もう大丈夫だな」
宏太が私の前髪に触れて、汗でおでこにぴとっと張りついた前髪をとかす。
宏太の冷たい指先が触れて気持ちいい。
「おかゆおいしかった!誰かに教わったの?」
「んー?光」
「光くん!」
宏太はズボンのポケットに手をやると、そこからぴらっと白い紙を取り出した。
広げると、そこには「おかゆの作り方」と書いてある。
分かりやすいように所々に絵が描いてあって、ポイントにはマーカーが引いてある。
「光くんすごい!」
料理が壊滅的な宏太がここまでおいしいおかゆを作れるレシピを書くなんて!
すごいすごい、私は光くんを褒め称える。
「ねぇ、俺は?」
ちょっと不満げな顔が、珍しくてかわいい。
「ふふ、宏太もすごいよ!
おいしいおかゆ、作ってくれてありがとう。」
明るい色の髪をぽんぽんと撫でれば、
「…ばか、やめろよ」
って言いながら嬉しそうにはにかんだ。
ベッドの上から宏太のほっぺたを両手ではさんできゅっと引き寄せて、おでこにキスをする。
宏太は何が起きたかわからないという表情で、目をまんまるにしている。
……熱のせいだ。いつもはこんなことしないのに。
「忘れてっ」
慌てて横になって、布団を頭までかぶる。
宏太のニヤニヤ顔が目に浮かんだ。
「一生忘れませんよー?」
突然、ばさっと布団がはがされた。
宏太と見つめ合う形にくるっと向きを変えられる。
「一生忘れないよ?
……今日はいじめんのは勘弁してやるけど。治ったら覚えとけ」
なんだかまた熱が上がりそうだ。
宏太の言葉に返事をしないで、また布団を思いっきり引っ張って頭からかぶった。
布団越しに宏太がころころ笑う声が聞こえた。
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美歌(プロフ) - 岡庭レイナさん» はじめまして、ありがとうございます!けいとくんとゆうとくんは書くのが結構難しいのですが、そう言っていただけてとても嬉しいです! (2017年8月27日 18時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
岡庭レイナ - はじめまして!めっちゃかわいかったです!私はとりんとりん推しなので、圭人と裕翔が可愛すぎて叫びましたwwww (2017年8月27日 16時) (レス) id: b1b4af1c86 (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - みさきさん» 楽しんでいただけたのならよかったです!有岡くん×子供は最強ですよね〜 (2017年7月3日 23時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - キュンっっキュンでした♪大ちゃんの子供ヤバかったです~( 〃▽〃)私の妄想そのものです!笑 (2017年7月3日 22時) (レス) id: dd35665e9b (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - ちぃともさん» ありがとうございます!作者の妄想全開でお届けしました! (2017年4月27日 22時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2016年10月21日 17時