夏の色、夏の音。《Yuri》 ページ25
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カツ、カツ、
心地よいリズムで下駄の音を奏でて。
「知念くん!」
私たちは地元の小さなお祭りにやってきた。
「ごめんね、遅くなって」
「僕を何時間待たせる気なの」
「何時間!?ほんとうにごめん!!」
「うそ、2分前に来たとこだよ」
「なんだ、よかった」
知念くんの冗談に私が笑うと、知念くんもつられてふわりと微笑んだ。
紺色の浴衣にえんじ色の帯を結んだ知念くんは、そのかわいらしい顔と身長のわりにたくましい身体をしている。
道行く女性たちが彼を見ているのがよく分かった。
「知念くん!浴衣、似合ってるね!」
「まあね、僕は何でも似合うから」
片方の唇の端をつりあげて、にやりと笑う。
本当のことだから何も言い返せない(笑)
「ねぇ私の浴衣は?似合う?」
腕を小さく開いてその場で一回転して見せた。
カツン、と、下駄が鳴る。
「………Aも、似合ってる」
あまりにもストレートな言葉に、一瞬時間が止まったように感じた。
「う、あ…ありがとう……」
赤くなった頬で知念くんの方を見る。
ぷいっ、と顔を背けられた。
そこで私はあることに気づく。
知念くんの耳が赤く染まっているのだ。
「知念くん?」
「………」
「照れてるの?」
「…っ、うるさい。早く行くよ」
低い声のトーンでそう言った知念くんは強引に私の手を掴んで歩き出す。
……照れ隠しだ。
嬉しくなった私は、掴まれた手ほどいて知念くんの腕に抱きついた。
遠くの方からお祝いのクラッカーみたいに、花火の音が聞こえた。
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美歌(プロフ) - 岡庭レイナさん» はじめまして、ありがとうございます!けいとくんとゆうとくんは書くのが結構難しいのですが、そう言っていただけてとても嬉しいです! (2017年8月27日 18時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
岡庭レイナ - はじめまして!めっちゃかわいかったです!私はとりんとりん推しなので、圭人と裕翔が可愛すぎて叫びましたwwww (2017年8月27日 16時) (レス) id: b1b4af1c86 (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - みさきさん» 楽しんでいただけたのならよかったです!有岡くん×子供は最強ですよね〜 (2017年7月3日 23時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - キュンっっキュンでした♪大ちゃんの子供ヤバかったです~( 〃▽〃)私の妄想そのものです!笑 (2017年7月3日 22時) (レス) id: dd35665e9b (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - ちぃともさん» ありがとうございます!作者の妄想全開でお届けしました! (2017年4月27日 22時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2016年10月21日 17時