雪に誓う《Daiki》 ページ24
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ときとぎ頬に落ちて、体温でふわりと溶けてゆく雪。
私たちは、見覚えのある街の大きなツリーを見上げていた。
私の、最悪で最高のクリスマスになったこの場所だ。
「去年のA、ここで泣いてたよなー」
懐かしそうに目を優しく細めて、大ちゃんは言う。
「ちょっと、嫌なこと思い出させないでよー」
「嫌なことばっかでもないでしょ?俺とAの始まりの場所でもあるんだから」
「……」
「おいっ!」
無言の私にツッコミをいれるように、チョップをかましてくる大ちゃん。
今年もまた、大ちゃんはベタで寒いことを。
「ねぇ、A…?」
名前を呼ばれて大ちゃんと見つめ合うと、左手の薬指に、ひやりと冷たい感覚。
「…?」
自分の手をまじまじと見ると、きらりと光ったそれは、指輪だった。
「だっ、大ちゃん、これ…」
「指輪。俺、まだまだ一人前には程遠いし、Aを養っていけるお金もない。でもさ、絶対いい仕事就いて、一人前の男になるから。気が早いって思うかもしれないけど、そしたら…………、
俺と結婚してくれますか?」
「……ばかっ、当たり前じゃんっ」
大ちゃん、“俺ならAのこと泣かせない”って言ってくれたのに。
きっと今の私の顔、雪と涙とそれから鼻水も混じってぐちゃぐちゃだよ。
でも、そんなことはどうでもいいくらいに嬉しかった。
来年も、再来年も、歳をとってしわくちゃのおじいちゃんとおばあちゃんになっても、ずっとふたりで過ごしていけたらいいな。
クリスマスにはごちそうをつくって、大きなケーキを用意しようね。
雪は、本当に私たちを祝福してくれているみたいだった。
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美歌(プロフ) - 岡庭レイナさん» はじめまして、ありがとうございます!けいとくんとゆうとくんは書くのが結構難しいのですが、そう言っていただけてとても嬉しいです! (2017年8月27日 18時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
岡庭レイナ - はじめまして!めっちゃかわいかったです!私はとりんとりん推しなので、圭人と裕翔が可愛すぎて叫びましたwwww (2017年8月27日 16時) (レス) id: b1b4af1c86 (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - みさきさん» 楽しんでいただけたのならよかったです!有岡くん×子供は最強ですよね〜 (2017年7月3日 23時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - キュンっっキュンでした♪大ちゃんの子供ヤバかったです~( 〃▽〃)私の妄想そのものです!笑 (2017年7月3日 22時) (レス) id: dd35665e9b (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - ちぃともさん» ありがとうございます!作者の妄想全開でお届けしました! (2017年4月27日 22時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2016年10月21日 17時