恋の始め方《Kei》 ページ11
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「…なに見てんの?」
伊野尾からの視線を感じて、迷惑そうに言い放った。
「んー?かわいいなあって」
「…はあ、どうも」
私と彼しかいない放課後の教室。
ふたりきり、日直の仕事で居残り。
私の前の席に座って、椅子と体を後ろに向けた伊野尾はまだなお言葉を紡ぐ。
「ちゅーしたいなって」
ガタッ
慌てて動こうとして、机の足に膝をぶつけた。
「ばかだぁー」
涙目になる私を見て、伊野尾はけたけたと笑う。
なんなの、ほんとに馬鹿みたいじゃん。
「もう、伊野尾が日誌書け」
腹が立って、惨めになって、自分でもよくわからなくなって。
ずいぶん投げやりな言い方になってしまった。
それでも伊野尾は、
「口悪いなー」
なんて言いながら、私から日誌とシャーペンを受け取った。
真剣な表情をして向かっているのに、日誌にはへろへろな字ばかりが並べられている。
思いがけないところでくすっと笑みがこぼれてしまった。
「でも俺、ほんとうにAちゃんとちゅーしたいと思ってるよ?」
伊野尾が私を見る。
大きな黒目に見つめられて、魔法がかかったみたいに動けない。
「抵抗しないの?」
意地悪く笑った伊野尾の整った顔がどんどん近づいてきて。
目も瞑ることができなくて。
そして、唇に温かい感触。
「ふふ、しちゃった」
私の頬を撫でながら楽しそうに笑う伊野尾。
私が恋に落ちるのは、もう、時間の問題なのかもしれない。
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太陽の笑顔《Kota》→←ちゅーをいっぱい《Ryosuke》
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美歌(プロフ) - 岡庭レイナさん» はじめまして、ありがとうございます!けいとくんとゆうとくんは書くのが結構難しいのですが、そう言っていただけてとても嬉しいです! (2017年8月27日 18時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
岡庭レイナ - はじめまして!めっちゃかわいかったです!私はとりんとりん推しなので、圭人と裕翔が可愛すぎて叫びましたwwww (2017年8月27日 16時) (レス) id: b1b4af1c86 (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - みさきさん» 楽しんでいただけたのならよかったです!有岡くん×子供は最強ですよね〜 (2017年7月3日 23時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - キュンっっキュンでした♪大ちゃんの子供ヤバかったです~( 〃▽〃)私の妄想そのものです!笑 (2017年7月3日 22時) (レス) id: dd35665e9b (このIDを非表示/違反報告)
美歌(プロフ) - ちぃともさん» ありがとうございます!作者の妄想全開でお届けしました! (2017年4月27日 22時) (レス) id: 3e3ef071f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2016年10月21日 17時