俺は男だから２【今日から俺は!!】

第86話 ページ39

Aside









伊藤｢あっ！｣









次の日、学校で自席に座ってると急に伊藤が声を上げて肩がびくりと跳ねた。


なんかデジャブなんですけど。







その声につられて後ろを向けば久しぶりに会うあいつが。









『佐川！』


一同｢｢｢おー！｣｣｣








頭に包帯は巻いてるものの元気そうで一安心。









三橋｢おー！佐川じゃねぇか！｣


佐川｢三橋さん、伊藤さん、Aさん。ご心配掛けてすいませんでした！｣


『え、頭そんな勢い良く振って大丈夫？』


三橋｢平気平気、言うほど心配してねぇから｣


佐川｢またまたー！もう！｣


『またまたー、怒りで拳震わせてたくせに』


三橋｢やめろ！｣









自分だって智司に告げ口したくせに。



べぇっと舌を出すと肩パンされた。


痛っ！？









伊藤｢もう完全に治ったのかよ？｣


佐川｢まぁ、ちょっと頭痛いっすけどね｣


『良かったよ、元気そうで』


佐川｢Aさん…！はい！早くAさんに会いたい一心で治しました！｣


『え、キモい』


佐川｢え…｣









しょんぼりした佐川の頭を箸でツンツンつつく三橋。


それを見て平和な日常を噛み締めてると理子が来た。

あー平和の象徴。癒し…。









赤坂｢佐川くん退院おめでとう！｣


伊藤｢退院パーティーしなきゃな｣


佐川｢そんな気ぃ遣わないで下さいよ、ねっ｣


三橋｢東京で｣


佐川｢絶対にヤダ！｣









佐川の全力の否定にクラスのみんなが笑う。


うんうん、平和だ。









赤坂｢A、大丈夫だった？｣


『ん？何が？』


赤坂｢東京の人達に人質に取られてたってさんちゃんから聞いて｣









また余計な事言いやがって…。
理子には心配掛けたくないのに。









『大丈夫だよ、何もされてないし』


赤坂｢でも…｣









ちらりと伊藤を気にした理子が耳に口を寄せる。


体を理子の方に傾けた。









赤坂｢紅野さんて人にキスされたって聞いたけど…｣


『ぶっ！』









てめ…口軽すぎかおい！


俺の黒歴史言いふらすんじゃねーよ…！






殺意を込めた視線に気付いたのか三橋は｢あーお腹空いてきたなー｣と言って自分の席に着いた。









伊藤｢A｣


『…あ？』


伊藤｢ちょっと、話があるんだ｣


『？？』









いつもより真剣な顔の伊藤に連れられ屋上に向かった。

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