俺は男だから２【今日から俺は!!】

第84話 ページ37

Aside









『………なんで俺が三橋(あいつ)の弟役な訳』


伊藤｢しょうがないでしょ、じゃんけんで負けたんだから｣


『なんでお前じゃんけん強いんだよ！』


伊藤｢それは理不尽すぎるでしょ。ほら三橋達来たから落ち着いて｣









伊藤が宥めるように言う。



こいつ、自分が弟役免れたからって…！









放課後、紅野を学校から連れ出した三橋が俺達の元に戻って来て4人で河原へと向かう。









『…学校だと全然雰囲気違うのね』


伊藤｢仮の姿だろ｣


紅野｢…何人だ？何人連れてきたんだ？｣









思った事を率直に口に出した時、紅野がぼそりと言った。


見ての通り3人だ、と言う伊藤を紅野が鼻で笑う。









紅野｢笑わせんなよ、お前らなんか勘違いしてるぜ。俺はな、他の奴と桁が違うんだぜ。
ぎょうさん仲間連れて来たかと思ったら3人だ？舐めんじゃねぇよおい｣


『随分とキャラ変わっちゃってますけど』









俺を一瞥した紅野はまた三橋に目を向けた。









紅野｢俺はな、強いんだぜ｣


三橋｢…ほーう｣


紅野｢千葉辺りで強ぇからって世界で通用すると思ってんじゃねぇ！｣









いつからそんなワールドワイドな話に、と思った瞬間紅野が三橋の腹へ拳を叩き込んだ。


その時どこから取り出したのか三橋が持ってた犬の写真を真っ二つに破いた。









三橋·伊藤｢｢うわー！なんて事すんだー！｣｣


紅野｢ざけんな！なんだよ、これ｣


『…酷い、心を込めて作ったのに』









突然の行動に動揺する紅野に追い打ちをかけるように呟き、涙を流した。



見よ！俳優もびっくりの演技力！









｢白原くんひどい！｣









女子生徒の言葉を合図に沢山の生徒が俺達の元へ駆け寄って来る。


予測不能な展開に紅野は激しく動揺してるみたいだった。









紅野｢な、なんでお前ら…｣


三橋｢みんな、白原くんの表彰パーティーをしようって集まってくれたんです。なのに…｣


｢見てたぞ、お前…なんで割ったんだよ！｣


｢弟さん泣いてるだろ！｣


『ジョンの元気な姿見せてあげようと思ったのに…』


伊藤｢大丈夫か？悲しいよな…｣









伊藤が俺の頭を撫でる。





うん…てか俺ちゃんと弟に見えてんのか…そうか……。

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