俺は男だから２【今日から俺は!!】

第66話 ページ19

Aside









『今井！』









倉庫の中、開久の奴らに捕まってる今井が見えた。




今井を取り囲んでた奴らを伊藤が次々と倒していく。









伊藤｢友達…だよな｣


今井｢伊藤！｣









ふと目をやった先に、縛られてる明美と彼氏くんが居た。







その瞬間。

突き付けられた拳銃の音、罵声を浴びせる男達の声、殴る音、蹴る音、ベッドに横たわった智司

全てが一気にフラッシュバックした。









『…っ、あ………』









今井の声もいつの間にか来ていた三橋の声も全てが遠く感じる。









伊藤｢A？｣









段々呼吸が荒くなってきて足から力が抜けた。









伊藤｢Aっ！？｣


川崎｢Aさんっ！｣









地面に崩れ落ちる前に伊藤に抱きとめられた。


過呼吸になったせいで苦しくて伊藤の学ランを掴む。









『っあ、いと…』


伊藤｢A、大丈夫か？｣


『ごめ、ちょっと…思い、出して…』


伊藤｢思い出した…って、もしかしてあの時の｣









心配そうに俺の顔を覗き込む伊藤を見てなんとか自我を保つ。









『っはぁ…ごめん、もう大丈夫だから』


伊藤｢ほんとかよ｣


『うん、だいじょ、』


伊藤｢あ、おい！｣









立ち上がろうとして伊藤から離れれば、足に全然力が入んなくてそのままへたり込んだ。









伊藤｢全然大丈夫じゃねぇじゃん｣


『いや、これは違くて、ほんとに大丈夫だって…』


伊藤｢いや大丈夫じゃないね。ほら、学校戻って保健室で休ませてもらお｣









肩と膝の裏に腕を回されて何されるか見当がついた。









『ちょっ、ちょっと待って、』


伊藤｢何｣


『い、嫌だ』


伊藤｢は？｣


『あの、その…お、お姫様抱っこは、やだ』









俺の一言で気が付いたのか伊藤の顔が赤くなった。









三橋｢おいそこ何イチャイチャしてんだよ｣


『してないっ！！』


谷川｢そんな全力で否定したら肯定してるようなもんだよ｣


『あれ…谷川？いつの間に…』









結局何度大丈夫だと言っても信じてくれない伊藤に半ば強制的におんぶされて学校に戻った。




全っ然おんぶも恥ずかしかった。

第67話→←第65話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す