俺は男だから２【今日から俺は!!】

第59話 ページ12

Aside









放課後。



いつものように3人で帰る。









伊藤｢あれ、明美ちゃん？｣


『明美？どこ』


伊藤｢ほら、あそこ｣


『ほんとだ。何してんだろ』









伊藤が指差す方向に確かに明美が居た。


なんか見知らぬ男と話してるみたい。









伊藤｢あれ？｣


三橋｢何？何？何？｣









物陰に隠れて様子を伺う。









『…誰だ？あの男』









眉を顰めてそう呟けば、男は明美の肩に手を回して2人一緒に歩いて行った。






え？彼氏？

だとしたら今井は？




まさか…二股？あの明美が？







頭の中を駆け巡る疑問。

3人で顔を見合わせる。









三橋｢今井…二股かけられてたんだ｣


伊藤｢あぁ。可哀想だな、ちょっと｣









ゆるゆると歩き出した2人。




“可哀想”…？





なんてこいつらに似つかわしくない言葉だ、と不審に思った瞬間2人が吹き出した。









三橋｢ぷぁーっははは…！｣


伊藤｢はっはっはっ…！｣


『…………』









三橋に至っては寝っ転がって爆笑してるし。

全っ然笑い止まんねーじゃん。









『はぁ…お前らほんと性格わりーな』


三橋｢だ、だって…！おもしれぇじゃねぇか！｣


『別にそこまで』


三橋｢なんでお前そんな冷静でいられんだよ…！無理…無理！腹痛てぇ！｣


『…ねぇ、もう帰るよ』


三橋｢いいや！！まだだ！｣









急に笑うのを止めた三橋はきっぱりとそう言い放ち俺の顔を見た。









三橋｢さぁ、行くぞ。今井の元へ｣


『…お前さぁ』


三橋｢伊藤くん、Aくん、ついてきたまえ！｣


『あ、ちょ』









こうなったら止められないのが三橋で。









伊藤｢俺らも行こ、A｣


『ちょ…っ』









何故か珍しく乗り気な伊藤が俺の手を取ってあいつの後を追い掛ける。









いや、手！手！！









『…てか、なんでそんな乗り気な訳…』









異様にうるさい心臓の音をかき消す様にそう呟いた。

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