ゆるゆる短編集 9【芸人】

▽ ページ39

河井｢おい？｣


『……』


河井｢は？ほんまに寝てん？おーい｣




ゆずる先輩が頭をぺしぺしと叩いた後ほっぺたをつついた。




河井｢なんやねんほんまに…テストまで一週間も無いんですけど｣




ほっぺをつついてた手が髪の毛に移動してさらさらと撫でる。

その触り方がなんか優しくてちょっとドキドキした。




河井｢…お前おらんと部活なんかなんも楽しくないんやけど｣




…え？




河井｢二人きりで勉強会出来るって喜んでんのも所詮俺だけか｣




何それ。どういう意味ですか、先輩。




河井｢伝わってへんよなぁ。…俺好きなんやけど、Aの事｣


『っ…！？』


河井｢あれ、お前、起きて…｣


『先輩今の、ほんまですか…？』


河井｢…今の、って？｣


『好き…ってやつです』


河井｢ほんまやったらどうする？｣


『……私も好きって、伝えます』




先輩が少しだけ目を見開く。




河井｢…じゃあ付き合う？｣


『え！良いんですか！？』


河井｢数学のテストで赤点回避したらな｣



にやりと悪戯っぽく笑うゆずる先輩に胸がキュッと締まった。




『俄然やる気出て来ました！』


河井｢うん、ほなやろ｣

令和喜多みな実 河野→←アインシュタイン 河井

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