【HQ!!】烏野の王子はマネージャー【男主】

Episode 32 ページ32

菅原side






大地の昼休憩の号令で外へと向かうみんなの後について行ってると、不意にコーチ達の話が耳に入って来た。



俺と影山。

どっちをスタメンに入れるか。






菅原(…そりゃ、そうだよな)








今正セッターだからってこの先も正セッターで居られる保証なんて無い訳だし、何よりも影山の方が圧倒的に技術がある。






分かってるけど、でも。









菅原(だからって、スタメンに入れない事が悔しくない訳じゃない)


『……あの』


烏養｢うお、どうした｣


『孝支…菅原は、そんな弱い奴じゃないと思います』


菅原｢！！｣












ふとAの真剣な声がして一瞬足を止める。

Aの言葉を聞いて散らかってた思考がひとつにまとまって
自分の気持ちに答えが出た。



…アイツは俺よりずっと俺を理解してる。





まとまった思考が揺らぐ前に、その夜コーチに思いを伝えた。









大丈夫、俺にはAの言葉がある。






それにAは大好きなバレーが出来なくなってもずっと前だけを見ている。


それに比べたら俺が正セッターで居られない事なんてちっぽけで。



Aのように、俺は俺のやり方でこのチームに貢献したい。












菅原｢ふぅ…｣


『こーうしっ』


菅原｢あ…A｣












コーチに気持ちを伝えて部屋に戻っていたら、にこにこと笑ってるAが近付いて来た。

そして急に正面から抱き締められて思わず体が強ばる。











菅原｢えっ、何｣


『偉いね、孝支。孝支は強い子だ、かっこいいよ』


菅原｢A…｣


『みんなで、全国行こう』


菅原｢うん。俺もAも含めたみんなで｣


『…ふふ、うん』

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