【HQ!!】烏野の王子はマネージャー【男主】

Episode 4 ページ4

▽










『孝支』


菅原｢…A｣


『やーっぱここに居た。なんかあったらいつもここ居るよね、孝支』












よいしょ、って俺の隣に座ったA。


なんの問題も無く曲がるその足を見て唇を噛んだ。












菅原｢………｣


『…確かにさ、もうバレー出来ないって言われた時はショックで悲しくてそれなら死んだ方がマシだなって思った事もあった』


菅原｢…っ｣


『でもねぇ、今となってはそこまでじゃないっていうか？
バレーを楽しんでるみんな、どんどん上達してくみんな、そんなみんなをマネージャーとして支えて。バレーに携わる形ってプレーヤーだけじゃないんだなって気付かされたし。
今は素直に成長してくみんなを見てるのが楽しくて嬉しい』












思わず見詰めた横顔が晴れ晴れとしていて嘘をついてる訳じゃない事は容易に分かった。












『…本人がそう言って落ち込んでないのに助けて貰った側がずっと抱え込んでるのは違うっしょ？
そもそもあの事故は孝支のせいじゃない訳だし、責任感じなくていい…って言っても優しい孝支は感じちゃうんだろうけどさ、せめて独りでは抱え込まないでよ。な？』


菅原｢…っ、う……｣


『うわはは、孝支泣いちゃった』












あぁもう、なんでこいつはこんなにも。





とめどなく溢れてくる涙。

ぐしぐしとジャージの袖で擦るとAに止められた。












『擦っちゃ駄目、目元赤くなっちゃう。孝支色白いんだから泣いたのすぐバレちゃうよ』


菅原｢…うん……｣


『孝支泣かした、って俺が大地に怒られちゃうしさ』












擦らなくても涙が出て来なくなるまで2人で静かに風を浴びる。


暫くして『そろそろ戻ろっか』ってAが立ち上がった。












菅原｢うん。…A｣


『ん？』


菅原｢……ありがとう｣


『………俺の方こそありがと』


菅原｢え？｣


『そんな風に抱え込んじゃう程俺の事を考えてくれて。俺普通に嬉しかった』


菅原｢……｣


『さっきも言ったけど俺はみんながどんどん強くなってくのを見てるのが好きだから。だからもっともっと練習して強くなって俺に最高の景色を見せてよ、孝支』


菅原｢…………おう…！｣

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