【HQ!!】烏野の王子はマネージャー【男主】

Episode 26 ページ26

澤村side






清水｢澤村｣


澤村｢ん？｣


清水｢A。なんか色々考え込んでるみたい｣


澤村｢あ……分かった｣













コーチに声を掛けられて円陣を組もうとしていると清水にそう耳打ちされた。


ちらりとAの方を見る。




ぼーっとこちらを眺めている様子はいつもと変わらないAのように見えるけどどこか心ここに在らずな感じがした。








大きな声で名前を呼べばかなりびっくりした顔をしていて、西谷と田中に連れられる時は困惑しながらも嬉しそうだった。












これは同情でもなんでもなくて。


ただお前に、自分が烏野男子バレー部の一員だと忘れないで居て貰いたいから。









あの事故なんて、バレーが出来なくなった事なんて、なんとも思ってないような。



そんな振る舞いが上手いAは俺の前では本音を見せてくれる事が多い気がする。

……自惚れではない…と信じたい。













『だーいち』


澤村｢ん？｣


『んへへ』


澤村｢いや、笑い方｣














くねくねとしながら近付いて来たAが後ろからギュッと抱き着いてきた。













『ありがとうね、大地』


澤村｢別に…｣


『んふ、大地大好き』


田中｢うわ、大地さんとAさんまたイチャイチャしてる｣


東峰｢相変わらず仲良いなぁ2人は｣


西谷｢これ見るとバレー部戻って来たって感じしますね｣


澤村｢勝手にバレー部名物にするな｣
















帰るぞ、と声を掛けるとバラバラと散っていく部員達。












“ 連れてってやるんだろーが、アイツを”












旭に言った言葉を思い出す。





俺達3年の共通目標。

それはAを俺らの手で全国に連れて行き、そして優勝をプレゼントする事。












『大地ぃー、帰りピザまん奢ってー』


澤村｢はぁ？自分で買えよ｣


『今日お財布忘れちゃったー』


澤村｢…しゃあねぇな｣


『わーい！孝支、大地が肉まん奢ってくれるって！』


菅原｢マジ！？｣


澤村｢おい勝手に人増やすな！｣

















その為には、まず合宿で力を付けるしかないな。

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