【HQ!!】烏野の王子はマネージャー【男主】

Episode 11 ページ11

及川side





俺は烏野の2番くんが嫌いだ。


理由は単純。Aからバレーを奪ったから。











『徹』


及川｢A。帰ったんじゃなかったの、何か用？｣


『…なんであんな言い方すんの？孝支本気であの時の事気にしてんだよ』


及川｢だから何。事実じゃん｣


『だからって言って良い事と悪い事あんだろ』


及川｢こーし、こーしって菅原くんの事ばっかり。俺アイツ嫌いだもん！｣












1年前。





“AAが交通事故に遭ったらしい”



そんな話が風の噂で耳に入って俺と岩ちゃんは慌てて病院に行った。




俺達を見たAはなんとも思ってないような笑顔を浮かべて、それでも隠しきれてないショックを滲ませながら“ごめん”と謝った。












“俺、バレー出来なくなっちゃった。いつかネット挟んで戦おうねって言ってたのに、ごめんね”












なんで笑ってるの。


なんでAが謝るの。


なんでバレー、出来なくなっちゃったの。









訊きたい事も言いたい事もいっぱいあったのに何も言えなくなった。







ぼーっとしてたら赤信号に突っ込んでた、としか聞かされなかった俺らは菅原くんからほんとの原因を聞いた。


他人を庇って、なんてAらしい。

アイツは馬鹿だ。本っ当に馬鹿だ。












『…なんでそこまで嫌うんだよ』


及川｢…逆になんでAは嫌いになんないの？アイツのせいでバレー出来なくなったんじゃん｣


『別に俺は孝支のせいだと思ってないもん』


及川｢はぁ？どこまでお人好しな訳？｣


『お人好しとかじゃなくて。目の前で大切な友達が事故に遭いそうになってたら全てを投げ打ってでも助けるでしょ。
それが孝支でも徹でも誰であっても』












分かってる。それがAだって事。

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