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先程より呼吸が落ち着いたタイミングで水分補給を促される。
「これ、ちょっとでいいから飲んで。口を湿らす程度でもいいから。ね?」

そういって少し上体を起こされ、ペットボトルに口つける。少し甘ったるい水。おそらく経口補水液。普段ならおいしいと感じるものでは無いが普通に飲める。
それだけ自分に脱水症状が出ていたことなんて気づきもしなかった。
少しだけだが水分が取れたことで周りの空気が幾らか落ち着いたように感じる。


俺自身も先程どんなに頑張っても取れなかった水分が取れたことで今なら薬を飲めるかもしれないと思い、ポケットの中から取り出そうとするが見つからない。

あれ、どこにやったんだっけ。
トイレに置いてきてしまったのだろうか。

そう思っていたのだが、ふと周りを見渡すと俺が探していたPTPシートは何故か知念の手に移動していた。

「───、あれ、………」

「これ、鎮痛薬でしょ。」


「…………え?……いや、…まあ、そんなとこ……。」

歯切れの悪い俺を責め立てるように知念が言葉を続ける。

「僕ね、雨の日に伊野ちゃんがテンション低くなることも時々顔を顰めていることも知ってたよ。
それでも触れられたくないんだと思っていたし自分の限界くらいちゃんと分かっている大人だと思って触れないでおいた。それなのに倒れるってどういうことなの。」

「────……っ、ごめ、…。」

「僕とかひかが頭痛い時も隠してたでしょ。他に辛い人がいるからとか自分は我慢すればいいとか考えてたんでしょ。いつも弱音を吐かないでいると本当に辛い時に相談出来なくなるんだよ。今日みたいに。」

「………ごめっ、、ごめん、なさい………。」

正論がブスリと突き刺さり、謝ることしか出来ない。知念は俺の笑って適当なことを言って誤魔化そうと癖をよく知っている。だからこそこうやって反論する隙を与えず理詰めで追い詰めるやり方が1番本心を引き出せると思っているのであろう。



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ocome(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます^^承知いたしました!♡ (2022年5月8日 13時) (レス) @page1 id: 1418944971 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ライブ中やリハ中に体調悪くなっちゃうけど無理する感じのお話読んでみたいです! (2022年5月8日 0時) (レス) @page1 id: 03057fdb8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ocome | 作成日時:2022年5月7日 20時

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